リビングやダイニング、廊下の境界を無くした「大きな共用部」を中心に、プライバシーが求められる「小さな個室」を組み合わせました。それぞれに必要な機能を維持しながらも家族のための空間を広く確保しています。 高気密・高断熱な建物性能と季節に合わせた日射調整により、暮らしの雰囲気が溢れ出す路地のような環境をつくりました。

様々な状況が想定される規格住宅において、最も開放的で長期にわたり変化しにくい場所は「敷地の上空」であると考えました。居室の上部や光庭に面して主要な窓を設けることで、近隣からの視線を感じない自由な暮らしを楽しむことができます。

外観は時代が変わっても飽きのこないシンプルなデザインとしました。エアコンの冷媒配管や換気扇の フード等、ノイズとなり得る要素は表側へ出さないように配慮しています。愛車や植栽等、クライアントの 「好き」を際立たせる背景としての建築を目指しました。

室 1～3 とその周囲は子供の成長に合わせて変化していく空間です。個室の中だけでは暮らしが完結しないため、その時々の家族の姿が共用部に表されます。子供部屋としての役割を終えた後も有効活用がしやすい計画としました。