【フラット35】子育てプラスとは?条件とポイント制度をしっかり解説
【フラット35】子育てプラスは、子育て中の世帯や若者夫婦世帯が住宅を取得する際に、借入金利を一定期間引き下げる優遇制度です。家計負担を和らげながら、質の高い住宅の取得を後押しします。制度の概要から適用条件、そして金利引き下げの鍵となるポイント制度について詳しく見ていきましょう。
そもそも「子育てプラス」とは
【フラット35】子育てプラスは、2024年2月に新設された金利引き下げメニューです。【フラット35】は最長35年の全期間固定金利が特長の住宅ローンで、借入時に返済額が確定するため、将来にわたる資金計画が立てやすい安心感があります。
子育てプラスは少子化対策の一環として創設され、子育て世帯などの住宅取得を支援する目的を持ちます。お子様の人数や住宅性能などに応じてポイントが付与され、その合計ポイント数によって金利が引き下げられる仕組みです。
利用できる世帯の条件
【フラット35】子育てプラスを利用できるのは、「子育て世帯」と「若者夫婦世帯」のいずれかに該当する場合です。
<【フラット35】子育てプラスの利用条件>
| 世帯の区分 | 
主な条件 | 
| 子育て世帯 | 
借入申込時に、18歳未満のお子様がいる世帯 | 
| 若者夫婦世帯 | 
借入申込時に夫婦であり、いずれかが40歳未満の世帯 | 
 
※お子様と夫婦の年齢は、いずれも借入申込年度の4月1日時点の満年齢です。
※法律婚のほか、事実婚や婚約、同性パートナーの方も対象に含まれます。
対象となる住宅の条件
利用できる住宅は、申込者ご本人がお住まいになる住宅が基本です。加えて、セカンドハウスや、ご自身の親族(子や親など)がお住まいになる住宅も対象となります。
ただし、親族がお住まいになる住宅の場合は、その親族が「子育て世帯」または「若者夫婦世帯」の条件を満たし、かつ連帯債務者になる必要があります。いずれの場合も、住宅金融支援機構が定める技術基準を満たさなければなりません。
<【フラット35】子育てプラスを利用できる物件> 
・申込者本人が居住する住宅 
・セカンドハウスとして居住する住宅 
・申込者の親族(子どもや親)が居住する住宅(その親族が「子育て世帯」または「若年夫婦世帯」に該当し、かつ連帯債務者となる場合)
                 | 
 
【フラット35】子育てプラスの金利引き下げのポイント制を理解しよう
【フラット35】の金利引き下げは、複数の条件に応じて付与されるポイントの合計数で決まります。1ポイントあたり、金利が年0.25%引き下げられます。
ポイントの仕組みと対象メニュー
ポイントは「家族」「住宅性能」「管理・修繕」「エリア」の4グループに分かれています。子育てプラスは「家族」グループに該当します。各グループから原則一つずつメニューを選択でき、ポイントを積み上げていくのです。
<【フラット35】のカテゴリー別ポイント一覧>
| グループ | 
金利引き下げメニュー | 
  区分   | 
ポイント数 | 
| 家族 | 
【フラット35】 子育てプラス | 
若者夫婦世帯またはこども1人 | 
1ポイント | 
| +18歳未満の子ども1人につき | 
+1ポイント | 
| 住宅性能 | 
【フラット35】 S(ZEH) | 
ZEH水準など | 
3ポイント | 
【フラット35】 S(金利Aプラン) | 
省エネ性・耐震性など | 
2ポイント | 
【フラット35】 S(金利Bプラン) | 
省エネ性・耐震性など | 
1ポイント | 
| 管理・修繕 | 
【フラット35】 維持保全型 | 
長期優良住宅 | 
1ポイント | 
| エリア | 
【フラット35】 地域連携型 | 
自治体による子育て支援など | 
1~2ポイント | 
【フラット35】 地方移住支援型 | 
地方公共団体による移住支援 | 
2ポイント | 
 
※出典: 住宅金融支援機構【フラット35】ポイント計算表を基に作成
※住宅性能グループ内の【フラット35】S各プランの併用はできません。
子育てプラス最大の特徴 ポイント繰り越し制度
金利引き下げには、当初5年間で最大4ポイント(年▲1.0%)までという上限があります。
子育てプラスを利用しない場合、合計で5ポイント以上獲得しても4ポイント分しか適用されず、超過分は切り捨てられます。
一方、子育てプラスを利用する場合は、当初5年間で使いきれなかった4ポイント超過分のポイントを、6年目から10年目までの金利引き下げに繰り越せます。お子様の人数が多い世帯や、性能の高い住宅を建てる世帯ほどポイントを無駄なく活用でき、より大きな恩恵を受けられる有利な仕組みです。
<子育てプラス利用時と非利用時の比較>
| 比較項目 | 
子育てプラスを利用しない場合 | 
子育てプラスを利用する場合 | 
| ポイント上限 | 
上限なし(獲得は可能) | 
上限なし(獲得は可能) | 
| 当初5年間の金利引き下げ | 
最大4ポイント(年▲1.0%)まで | 
最大4ポイント(年▲1.0%)まで | 
| 6年目以降の優遇 | 
なし(5ポイント以上は切捨て) | 
4ポイント超過分を繰り越し可能 | 
 
【フラット35】子育てプラスはどれくらいお得になる?金利引き下げシミュレーション
		
【フラット35】子育てプラスを利用すると、マイホームの返済負担がどれほど軽くなるのでしょうか。実際に返済額がどの程度変わるのか、複数のケースで比較します。シミュレーションの共通条件も確認しておきましょう。
<シミュレーションの共通条件> 
・借入金額:3,000万円 
・金利:1.9%(機構団信加入) 
・返済期間:35年 
・返済方法:元利均等返済・ボーナス返済なし
                 | 
 
【パターン1】若者夫婦世帯で利用する場合(合計1ポイント)
まずは18歳未満の子どもが1人いる子育て世帯で、金利引下げメニューが【フラット35】子育てプラスのみのケースです。このケースでは、当初5年間の毎月返済額を約3,800円、総返済額を約48万円軽減できます。
<シミュレーション結果>
 | 
夫婦+子ども1人世帯で子育てプラス | 
金利引き下げなし | 
ポイント数 (金利引き下げ幅) | 
1ポイント(0.25%) | 
なし | 
| 適用金利 | 
当初5年間:1.65% 
6年目から:1.9% | 
全期間:1.9% | 
| 返済額/月 | 
当初5年間:94,075円 
6年目から:97,252円 | 
全期間:97,846円 | 
| 総返済額 | 
40,617,096円 | 
41,095,320円 | 
| 差額 | 
478,224円 | 
 
【パターン2】子ども2人世帯で高性能住宅を建てる場合(合計4ポイント)
18歳未満の子どもが2人いる子育て世帯で、子育てプラスと【フラット35】Sの金利Aプランを併用するケースです。
このケースのポイント数は、4ポイント(2ポイント+2ポイント)となります。このケースでは当初5年間の毎月返済額を約14,000円、総返済額を約200万円軽減できます。
<シミュレーション結果>
 | 
子ども2人世帯で子育てプラスと 【フラット35】Sの金利Aプラン | 
金利引き下げなし | 
ポイント数 (金利引き下げ幅) | 
4ポイント(1.0%) | 
なし | 
| 適用金利 | 
当初5年間:0.9% 
6年目から:1.9% | 
全期間:1.9% | 
| 返済額/月 | 
当初5年間:83,294円 
6年目から:95,380円 | 
全期間:97,846円 | 
| 総返済額 | 
39,189,408円 | 
41,095,320円 | 
| 差額 | 
1,905,912円 | 
 
【パターン3】複数の制度を併用し最大限の優遇を受ける場合(合計8ポイント)
最後に、利用できる制度を最大限活用するケースです。お子様が3人いる世帯で、高性能住宅を建て、さらに自治体の子育て支援制度(【フラット35】地域連携型)も併用します。
4つのグループすべてを併用する場合
合計8ポイントのうち、10年間で8ポイント(年▲1.0%)を利用できます。
<金利引き下げメニューの組み合わせ>
| 併用する金利引き下げメニュー | 
ポイント数 | 
| 【フラット35】子育てプラス(子ども3人) | 
3ポイント | 
| 【フラット35】S(金利Aプラン) | 
2ポイント | 
| 【フラット35】維持保全型(長期優良住宅) | 
1ポイント | 
| 【フラット35】地域連携型(子育て支援) | 
2ポイント | 
| 合計 | 
8ポイント | 
 
シミュレーション結果
このケースでは当初10年間の毎月返済額を約14,000円、総返済額を約322万円軽減できます。6年目以降も金利引き下げが継続されるため、総返済額が大幅に軽減されます。
子育てプラスと他の制度を組み合わせることで、返済負担を大幅に軽減できる可能性があります。ご自身の世帯状況や住宅プランに合わせて、どれくらいの優遇が受けられるか確認してみましょう。
<シミュレーション結果>
 | 
4つの金利引き下げメニュー併用 | 
金利引き下げなし | 
ポイント数 (金利引き下げ幅) | 
8ポイント(1.0%+1.0%) | 
なし | 
| 適用金利 | 
当初5年間:0.9% 
6年目から10年目:0.9% 
11年目から:1.9% | 
全期間:1.9% | 
| 返済額/月 | 
当初10年間:83,294円 
11年目から:93,314円 | 
全期間:97,846円 | 
| 総返済額 | 
37,869,240円 | 
41,095,320円 | 
| 差額 | 
3,226,080円 | 
 
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【フラット35】を借り入れるには?申し込み方法と融資までの流れ
【フラット35】子育てプラスを利用する場合、【フラット35】の申し込み手続きの中で利用の申告を行います。融資を受けるまでの手続きと、準備すべき書類について順を追って解説しましょう。
申し込みに必要な書類
【フラット35】の審査は、多くの民間住宅ローンと同様に「事前審査」と「本審査」の2段階で進みます。
それぞれで提出を求められる書類が異なるため、早めに準備を始めましょう。
金融機関や住宅の種類によって詳細は異なりますが、一般的に必要となる書類については確認しておく必要があります。
<【フラット35】審査の必要書類>
| 審査段階 | 
主に必要となる書類の例 | 
| 事前審査 | 
・事前審査申込書 
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど) 
・所得を証明する書類(源泉徴収票、確定申告書の写しなど) 
・他に借り入れがある場合は返済予定表など | 
| 本審査 | 
・借入申込書・所得を証明する書類(納税証明書など) 
・住民票の写し(世帯全員分・続柄記載あり) 
・建築費がわかる書類(工事請負契約書の写しなど) 
・土地の登記事項証明書 
・【フラット35】子育てプラスに関する申出書・確認書 | 
 
※上記は一例です。詳細は申し込みを検討している金融機関にご確認ください。
申し込みから融資実行までの7ステップ
申し込みから融資実行までは、一般的に1ヶ月半から2ヶ月程度の期間を要します。建築会社や不動産会社とも連携しながら進めていきましょう。
<【フラット35】融資実行までの手続きフロー>
| ステップ1 | 
取扱金融機関へ 事前審査を 申し込む | 
まずは【フラット35】を取り扱う金融機関の窓口で、返済能力などに関する事前審査を受けます。 | 
| ステップ2 | 
ローン 本申し込み | 
事前審査を通過したら、本審査の申込書や必要書類一式を提出します。 | 
| ステップ3 | 
住宅金融 支援機構に よる審査 | 
提出された書類を基に、取扱金融機関と住宅金融支援機構が本審査を行います。 | 
| ステップ4 | 
審査結果の 通知 | 
金融機関を通じて審査結果が通知され、承認されると融資が決定します。 | 
| ステップ5 | 
物件検査の 申請・実施 | 
【フラット35】の技術基準に適合しているかを確認するため、物件の検査が行われます。検査申請は建築会社などを通じて行います。 | 
| ステップ6 | 
ローン契約の 締結 | 
取扱金融機関と金銭消費貸借契約(ローン契約)を結びます。 | 
| ステップ7 | 
融資実行 | 
契約手続き完了後、指定した口座に融資金が振り込まれ、すべての手続きが完了です。 | 
 
FPが解説【フラット35】子育てプラス 3つの注意点
【フラット35】子育てプラスは大変魅力的な制度ですが、利用する際にはいくつかの重要な注意点が存在します。事前に注意点を押さえておくと、より効果的な資金計画を立てられるでしょう。
【注意点1】予算上限に達すると受付が終了する
【フラット35】子育てプラスは国の予算を活用した事業です。そのため、毎年度設定された予算の上限に達する見込みとなった場合、年度の途中でも新規の受付が終了します。
受付終了日は、終了する約3週間前までに【フラット35】の公式サイトで告知されるため、利用を検討する際はウェブサイトで最新情報の確認が欠かせません。
特に、住宅の完成・引渡しまで期間を要する注文住宅の場合、申し込みのタイミングが重要です。予算に達して利用できなくなる可能性も想定し、早めに手続きを進める、あるいは利用できないケースの資金計画も準備しておくと安心でしょう。
【注意点2】新規の借り入れが対象で借り換えには使えない
【フラット35】子育てプラスは、これから住宅を新しく取得する世帯を支援する制度であり、すでに組んでいる住宅ローンの借り換えには利用できません。
現在【フラット35】で返済中の方が、お子様の誕生などで新たに子育てプラスの要件を満たしたとしても、契約の途中から金利優遇を適用させるのは不可能です。あくまで住宅の取得と同時にローンを申し込む場合に限られます。
【注意点3】優遇期間が終わると毎月の返済額が増える
金利引き下げは、当初5年間や10年間といった一定期間の措置です。優遇期間が終了すると、本来の【フラット35】の金利に戻るため、毎月の返済額は増加します。特に金利の引き下げ幅が大きいほど、返済額の増加も大きくなる点を理解しておく必要があります。
ただし、【フラット35】は全期間固定金利のため、契約時に決まった金利以上に上昇する心配はありません。優遇期間終了後の返済額も契約時点で確定しており、将来の市場金利の動向に左右されない点は大きな安心材料です。
返済額増加への対策
優遇期間終了後の返済額増加に備えるため、FPとしては以下の対策をおすすめします。
繰り上げ返済の活用
金利が優遇されている期間中に、余裕資金で繰り上げ返済を進めておきましょう。元金を減らしておくことで、優遇期間終了後の利息負担や毎月の返済額を抑える効果が期待できます。
借り換えの検討
優遇期間が終了する時点で、現在よりも低い金利の住宅ローンがあれば、借り換えを検討するのも有効な手段です。諸費用はかかりますが、総返済額を大きく減らせる可能性があります。
子育て世帯こそ【フラット35】子育てプラスを検討しよう
一般的に【フラット35】は、変動金利型の住宅ローンに比べて金利が高い傾向にあります。しかし、【フラット35】子育てプラスを利用すれば、当初の返済負担を大きく軽減できる可能性があります。
返済開始当初の金利が低いと、毎月の返済額に占める元金の割合が増えるため、効率良く借入残高を減らせるのが大きな利点です。
獲得できるポイント数自体に上限はなく、当初5年間で使いきれなかったポイントは6年目以降に繰り越せます。お子様の人数が多い世帯や、質の高い住宅を建てる世帯ほど金利優遇を無駄なく活用できるでしょう。
「全期間固定金利」という将来にわたる安心感と、「当初期間の低金利」という家計へのメリットを両立できる【フラット35】子育てプラス。金利変動リスクを避けながら、教育費など将来の出費に備えたい子育て世帯にとって、非常に心強い選択肢となるはずです。
まずは家づくりのパートナーである住宅メーカーや、お近くの取扱金融機関、ファイナンシャル・プランナーに相談し、ご自身の世帯や住宅プランでどれくらいの優遇が受けられるのかを確認してみてはいかがでしょうか。