注文住宅を建てる際、せっかくならば屋根にもしっかりこだわっていきたいと考える方は多いのではないでしょうか。
屋根は素材や形状に多くの種類があり、それぞれが異なった特徴を持ちます。
そこで今回は、注文住宅の屋根にこだわりたい方へ向けて、屋根の種類や特徴を材質と形状ごとに詳しく解説します。
ぜひお気に入りの屋根を見つけて、魅力あふれる注文住宅を建てましょう。
まずは、注文住宅で使われることの多い屋根材を8種類紹介いたします。
1つ目は粘土瓦です。
粘土瓦は、日本国内において非常に認知度の高い屋根材で、粘土を瓦の形へと成形し、焼くことで作られます。
粘土瓦は耐久性が非常に高く、注文住宅のみならず国内の古い寺院や歴史的建造物などにも多く使用されています。
また、耐久性以外にも耐火性や防水性、防音性にも優れた高機能の屋根材です。
ただし、他の屋根材と比較して価格が高いことや、瓦自体が重いため建物の耐震性に悪影響を与えてしまう可能性があります。
2つ目はセメント瓦・コンクリート瓦です。
この2つはセメント・水・砂を主原料としており、見た目は粘土瓦に似ていますが、まったく異なる種類の屋根材です。
色やデザインが豊富で、粘土瓦よりも寸法が狂いにくく容易に加工できます。
ただし、瓦自体が重く地震に弱い点と粘土瓦より耐久性が劣るという欠点があり、年々製造数が減ってきています。
3つ目は化粧スレートです。
化粧スレートとは、セメントと繊維素材を混ぜて5mm程のうすい板状にした屋根材です。
他の屋根材と比べて価格が安く、軽い屋根材であるため耐震性にも影響を与えにくいため、注文住宅以外にも多くの建物で使用されています。
ただし、化粧スレート自体には防水性がないため、塗装をして防水性を高めています。
塗装は紫外線や雨風が原因でいずれ剥げるため、10年ごとを目安に塗装のメンテナンスをするようにしましょう。
4つ目は天然スレートです。
天然スレートは粘板岩という天然石を材料とした屋根材です。
優れた耐久性や耐水性はとても魅力的で、メンテナンスもほとんど不要です。
ただし、天然スレートは粘土瓦や化粧スレートよりも希少性が高く、天然素材であるため取り扱える業者が少なく、価格が高い傾向があります。
5つ目はトタンです。
トタンは薄い銅板や鉄板を亜鉛で覆った素材で、壁にも使われることがあります。
非常に軽く、日本瓦と比べると10分の1程度の重さになるため、地震が来ても建物に影響を与えにくいです。
また、継ぎ目が少なく傾斜が緩くても雨漏りしにくいというメリットもあります。
ただし、遮音性の低さや断熱性の低さが目立つ屋根材でもあり、表面の亜鉛が剥がれるとさびが発生してしまうこともあります。
6つ目はガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板とはガルバリウムという合金で鉄をメッキした屋根材になります。
耐久性や耐震性、価格などを比べると非常にバランスがとれており、塗装も容易なためデザインのバリエーションが豊かです。
ただし、バランスが良くとも完璧ではなく、沿岸部や森林などで使用するとさびが発生する可能性があります。
また、割れない代わりにへこみやすい性質を持ちます。
7つ目は銅板です。
銅板は屋根材にそのまま銅板を使用した金属屋根の一種です。
銅板は日本の風土や気候に適しているとされ、古くから屋根材として使用されてきました。
耐久性・耐震性に優れており、基本的にはメンテナンスも不要とされています。
日本古来の趣を演出できる魅力的な屋根材です。
ただし、施工できる業者が少ないため施工費が高い傾向があります。
8つ目はアスファルトシングルです。
アスファルトをガラス繊維の基材に浸透させて、表面を砂粒で着色している屋根材となります。
防水性、・防音性・耐震性に優れており、加工が容易なことから価格も低い傾向があります。
ただし、勾配の緩い屋根には向かず、注文住宅の形次第ではそもそも使用できない可能性もあるため注意が必要です。
屋根の寿命は耐用年数とも呼ばれており、屋根をパフォーマンスの高い状態で保てる期間を指します。
屋根は種類によって寿命に大きな差があります。
素材ごとの屋根の平均寿命
屋根材 | 平均寿命 |
粘土瓦 | 約50~100年 |
セメント瓦・コンクリート瓦 | 約30~40年 |
化粧スレート | 約15~25年 |
天然スレート | 約20年以上 |
トタン | 約10~20年 |
ガルバリウム鋼板 | 約20~30年 |
銅板 | 約60年以上 |
アスファルトシングル | 約20~30年 |
続いては、屋根の形状の種類や特徴を紹介します。
切妻屋根は三角の形をしており、日本国内でも主流な造りの屋根です。
取り扱っている業者も多いため、人件費や材料費などの費用が安く済む傾向があります。
また、形がシンプルなことで、どんな雰囲気の注文住宅にも合いやすいという魅力もあります。
招き屋根とは、切妻屋根に段差をつけたような見た目をしています。
小屋裏の空間が確保できるため、ロフトや小屋裏収納などの間取りを採用しやすくなります。
また、太陽光パネルを設置する場合には、南側の屋根を大きくすることで、発電の効果を高めることも可能です。
片流れ屋根は、勾配をつけた一面の屋根のみで構成されています。
段差や角もないため、外見は非常にシンプルです。
そのシンプルさから、他のものと比べた時に人件費や建築費用が安くなる傾向があります。
寄棟屋根は、頂点の棟から4方向に勾配をつけた屋根です。
雨や雪などが自然と分散でき、風にも強い造りになります。
落ち着いた印象を与えるため、奇抜なデザインが苦手な方にはおすすめです。
方形屋根は、一点が頂点となり、ピラミッドのような見た目となっています。
寄棟屋根に似た構成でつくられており、同じようなメリットを持ちます。
構造上、雨漏りをする可能性が高まるため、雨漏り対策を怠らないようにしましょう。
陸屋根とは勾配をつけず、屋上をバルコニーのように平らにしているものを指します。
陸屋根ではガーデニングや屋上庭園を設置することも可能で、ひなたぼっこなどを自由に行えるため、プライベートな空間が欲しいとお考えの方にはおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
今回は、注文住宅に主に使われる屋根材の種類と屋根の形状について詳しく解説をしました。
屋根は材質や形状が変わると見た目の印象が大きく変わります。
注文住宅で外観にもこだわりたいとお考えの方は、屋根の種類ごとの特徴を理解することがおすすめです。
アエラホームの注文住宅では、さまざまな種類の屋根を使った住宅の設計・建築を行っています。
注文住宅に関するご相談はお気軽にアエラホームまでお問い合わせください。
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