注文住宅を建てる際、気になることの一つが“外観”でしょう。 周りの人が「あの家おしゃれ!」と思わず言いたくなるような、素敵な家に住みたいと思う人は少なくないと思います。 では、自分の思い通りの外観の注文住宅に住むにはどうすればいいのでしょうか? ここでは、注文住宅の外観の種類や決め方、決める際の注意点を紹介します。 注文住宅の外観について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
まずは、注文住宅の外観でよくみられる8つの種類を紹介します。
シンプルモダンは、現在の新築住宅の外観のトレンドとして人気を集めています。
ほかの住宅とデザインが被りにくく、比較的リーズナブルに設計できるといった点から多くの人から選ばれています。
不要な装飾は省いた、清潔感のあるデザインが特徴です。
和モダンも、人気を集めているテイストの1つです。
日本建築のような、落ち着いた木の温もりが感じられる雰囲気がありながらも、現代風のシンプルさとスタイリッシュにまとまったデザインが特徴といえます。
南欧風住宅も、カラフルかつチャーミングな外観のため、多くの方から支持されています。
白い漆喰とレンガ色の屋根に、心惹かれる方も多いでしょう。
明るい雰囲気の外観を見ていると、暮らしもより一層豊かで楽しくなっていくでしょう。
カリフォルニアスタイルは、アメリカ西海岸の自由な雰囲気を感じ取れるテイストの外観です。
白と青の配色と木目感が海や雲、そして木々といった開放的な雰囲気を演出してくれます。
特にアウトドアが好きな方に、おすすめのスタイルです。
ニューヨークスタイルは、まるでニューヨークにある住宅のような雰囲気を取り入れた外観です。
コンクリートやガラスが建ち並ぶオフィス街にある、モノトーンを基調とした雰囲気が特徴です。
ニューヨーカーが住むような住宅に憧れている方は、ぜひ検討してみてください。
ナチュラルは、柔らかく自然に調和するナチュラルな雰囲気のデザインが人気のテイストです。白やベージュ系を基調に、自然素材を使った暖かみのあるイメージが魅力的といえます。
上品で洗練されたエレガントスタイルは高級な雰囲気を感じさせる人気のデザインです。
主に明るい色合いを基調とした華やかなイメージが強く、優雅で大人の女性らしい柔らかさを表現しています。
邸宅風は、重厚感のあるダイナミックなデザインのため、住宅街のなかでもひと際目を引くような豪華さを表現できることが特徴です。
石やタイルを使用することで重厚感を出すことができ、独創的なフォルムでほかにはないデザインにすることができるのがポイントです。
以下に、注文住宅の外観の決め方をまとめました。
まずどんな外観にしたいのか、イメージを決めていきましょう。
「あれも、これもよくて絞り込めない」という方は、まず「和風か、洋風か」といった簡単な部分から決めていくこともよい方法です。
さまざまなイメージ画像を集め、自分の心にフィットするものを選んでいくと見つかるでしょう。
家族で選びたい場合は、気に入った候補のデザインの写真を並べて話し合うと、意見がまとまるためおすすめです。
家のフォルムから決める方法もあります。
四角い家、L字型の家、そしてコの字型の家、または下の階より上の階が出っ張っている(オーバーハングしている)家、平屋建てなど様々なかたちの住宅が存在します。
屋根のかたちも外観に大きな影響を与えるため、一緒に考えておくとよいでしょう。
四角い形状の2階建ての家は、ほかのデザインと比べて安く建てることができます。
L字型やコの字型といった角の多い家は、デザイン性が高く、変わったかたちの土地にも建てられることが魅力とされています。
特に、オーバーハングしている家は、狭小地での住宅に適しているといえるでしょう。
また、平屋は建物のメンテナンスがしやすく、複層階に比べて構造的に強いといったメリットがあります。
白や黒、ブラウンなどメインカラーを決めることも重要です。
できれば1色、多くても2色がおすすめです。
2色選択する場合は、ベースカラーとアクセントカラーといった組み合わせで選ぶと、失敗しづらいでしょう。
外観の印象を決める外壁の素材を選んでいきましょう。
外壁の素材にはサイディング、コンクリート、そしてモルタルやタイルなど、さまざまな種類があります。
外壁の素材によってデザインが大きく変わるので、慎重に選択することをおすすめします。
特に、素材によって大きく金額が変動することもあり、ハウスメーカーによってはオプションになるケースもあるので注意しましょう。
屋根のかたちはその家の見た目の印象を大きく変える要素の一つです。
また、屋根のかたちは一度決めて施工すると容易に変更することができないため、慎重に検討する必要があります。
屋根のかたちは本記事冒頭で紹介した、外観の種類ごとに相性があります。
たとえば、純和風デザインにすると決めた際、切妻屋根が使用されやすい傾向にありますが、片流れとの屋根を選ぶことにより純和風のイメージが崩れる可能性が出てきてしまいます。
片流れ屋根を使いつつ和風にも仕上げたい場合、外観の種類を「和モダン」にすることで、イメージと屋根の相性が良くなります。
窓の大きさ・配置も屋根同様、印象を大きく変える要素です。
たとえば、大きめの引き違い窓は掃除や換気には機能的で便利ですが、デザイン性はあまり高くなく、「普通の家」という印象になりがちです。そこで、縦長の窓やFIX窓など小さめの窓を配置するとおしゃれな印象になります。
また、小さい窓はクールでモダンなイメージにしたい場合にもよく使われます。
家の中が見えづらいというメリットもあるため、防犯効果も期待できるでしょう。
しかし、引き違い戸が必ず良くないということではないので、家の形や外観に合わせてバランスを見ながら窓を選択・配置することが大事です。
外観を考える際には、外構部分も考えていきましょう。
外構とは、塀や駐車スペースなどの建物周りのことを指します。
照明や植栽を効果的に配置することでおしゃれな家という印象を与えやすいです。
フェンス・塀や駐車スペース、門・扉、そして庭などのエクステリアも、デザインによって住宅の外観に大きな影響を与えることができます。
ここからは、注文住宅の外観を決めるうえでの3つのポイントを紹介します。
外観を検討する際は住み始めてからのことも考慮して決める必要があります。
たとえば、外壁のカラーで人気の白は汚れが目立ちやすいことや、長時間日に当たりやすい壁は色あせが早く、逆に日に当たりにくいジメジメした側の壁はコケやカビが発生しやすいという点がデメリットにあたります。
外壁が汚れたりダメージを受けやすい環境だとメンテナンス周期が短くなるので、メンテナンスにかかる時間・手間やコストも十分に考えて検討することをおすすめします。
おしゃれな家にするために効果的な方法として、外観のイメージや装飾にトレンドを取り入れることが挙げられます。
しかし、そのトレンドが一風変わったデザインであったり、そのデザインが一時的な流行で終わったりすると、その後の住宅の外観が流行おくれとみられてしまうかもしれません。
トレンドを取り入れる時は、長期的に住んでいけるようなトレンドなのかをよく考えたうえで、デザインを選択しましょう。
注文住宅の建築を計画する際、住宅の細部にまでこだわりを持つ方は多いでしょう。
しかし、極端に細部にまでこだわり過ぎて想像以上にお金がかかってしまうと、住宅設備や内装等、その他の箇所に予算を割けなくなる可能性があります。
以下に、注文住宅の外観を決める際に、気をつけておきたい3つのポイントをまとめました。
住宅は、建てて終わりではありません。
デザインだけを重視して家を建ててしまったら、メンテナンスや修理が多発して「違う住宅にすればよかった」と後悔することもあります。
見た目だけではなく、実用性も兼ねた暮らしができる快適な家を目指しましょう。
建築会社に間違いなく伝わるよう、イメージの伝え方も工夫しましょう。
もしイメージが伝わらないと、想像と違った注文住宅が完成する可能性があります。
対策として、写真や画像を用意しておくとイメージの食い違いを防げます。
また、わからない点や不安な点があったら、すぐに質問することが大切です。
あとで「これは違う」とやり直しを要求しても、受け入れてもらえない可能性もあります。
設計の段階で、できる限りずれをなくすようにしていきましょう。
「イメージしていた色と違っていた!」という失敗を防ぐためにも、なるべく大きめのカラーサンプルでチェックをすることをおすすめします。
可能であれば室内だけではなく、屋外の太陽光の下でカラーサンプルをチェックしたり、同じ色で塗装した家を実際に見に行ったりするとよいでしょう。
色には面積効果というものがあり、同じ色でもサイズによって見え方が異なってきます。
明るい色は面積が大きいほど明るく鮮やかに見え、暗い色は面積が広いほど暗くくすんで見えます。
そのため、面積効果にも注意して外壁の色を選択しましょう。
注文住宅の外観を決める際の3つの失敗事例を、以下にまとめました。
注文住宅を建築した際、予算の削減を考えて住宅にひさしをつけないことを選択したら、部屋が暑くなったという失敗事例があります。
ひさしがないことで日光が部屋のなかに直接入り込むため、夏場は暑く感じます。
また、雨が降り込んできたり、窓が汚れたりして「住宅にひさしをつけた方がよかった」と後悔することも考えられるでしょう。
ひさしには、日よけや雨よけなどの役割があるため、住宅にひさしをつけることがおすすめです。
注文住宅の建築の際、自分の好みだけで外壁の色を決めた結果、奇抜な色にしすぎて周囲から浮いたという失敗事例もあります。
たとえば、原色が好きという理由だけで外壁の色を決めたら、近所の住宅は白やベージュ系の外壁だった場合、周りから浮いてしまうでしょう。
新築の注文住宅を建てる際には、外壁のカラーサンプルだけを見て自分好みの色を決めるのではなく、周囲の住宅の色も忘れずに確認すると周囲から浮くことを防げます。
自分好みの外壁にしたのにも関わらず、素材選びに失敗してメンテナンスに手間とお金がかかったという事例もあります。
外壁は雨風にさらされるため、劣化が生じてしまうことが仕方のないことです。
一般的に使われている窯業系サイディングは、コストを抑えられますが、年月が経つにつれて劣化するため5~10年でメンテナンスが必要です。
また、汚れの目立つ白や黒の外壁の場合、きれいに保つためにはこまめなメンテナンスが必須です。
タイルなど比較的高耐久で汚れにくい素材を選択することで初期費用にコストがかかったとしても、長い目で見るとメンテナンスの手間・費用を抑えることができます。
本記事では、注文住宅での外観の決め方や決めるうえでの注意点を紹介しました。
では内装の場合、こだわりの空間を実現するためにどのようなポイントを意識すればよいのでしょうか?
別記事の「注文住宅の内装を理想どおりにデザインするための決め方」で詳しくご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
今回は、注文住宅の外観の種類や決め方、決めるときに注意しておきたい事柄などを紹介しました。
「こんな家にしたい!」といった憧れがあるからこそ、注文住宅を建設する方は多いです。
しかし、その理想を叶えるためには、しっかりとしたイメージを持ち、イメージを実現するための素材やかたち、色を決めていく必要があります。
専門家のアドバイスも受けつつ、自分の理想の住まいを建てていきましょう。
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