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土地を買って家を建てるための完全ガイド!宅建士&建築士が準備から入居までの流れや費用・注意点を解説

最終更新日 2025年12月10日

土地を買って家を建てる流れは、全10STEPあり、期間は11〜19カ月が目安です。土地代と建物代に加え、総額の10〜12%の諸費用と年収の25%以内の返済額を想定し、資金計画を立てるのが基本となります。ハウスメーカー選びと土地探しは同時進行が鉄則で、法規制や地盤、日当たりなど見落としがちなチェックポイントも多数存在するのです。後悔しない理想の住まいを実現するための知識を、建築士&宅建士が徹底解説します。

【全体像】土地を買って家を建てる流れ全10STEPと期間の目安

土地を買って家を建てる際の流れを解説しましょう。 わかりやすく一覧表に全10STEPと期間の目安をまとめました。以降で、それぞれのタイミングで注意すべきポイントを解説します。ぜひあわせてご確認ください。

<土地を買って家を建てる全10STEP>
STEP 項目 目安期間 ポイント
STEP1 情報収集

資金計画
3~6カ月 ・住まいのイメージを検討
・自己資金、住宅ローン返済額の検討
・構造や規模の検討
・展示場やSNS、雑誌でリサーチ
STEP2 ハウスメーカー

土地探し
【ハウスメーカー探し】
・見積もり作成依頼
・ハウスメーカーを比較検討
【土地探し】
・法規制の確認
・立地・敷地条件の確認
・建築に必要な工事内容の確認
STEP3 土地の売買契約 ・購入土地が決まったら契約締結
・手付金や仲介手数料などがかかる
・住宅ローンの利用を検討
STEP4 住宅ローン事前審査 3〜5カ月 ・融資を受けられるかどうかを審査
・複数の金融機関で審査を受ける
【必要書類】
・源泉徴収票
・確定申告書(該当者のみ)
・身分証明書
・健康保険証 など
STEP5 建築工事請負契約 ・予算とプランを確定
・ハウスメーカーと工事依頼の契約締結
・手付金を支払う
STEP6 詳細設計 ・間取りの最終調整
・設備機器の選定
・内外装材の決定
・電気配線計画 などを決める
STEP7 建築確認申請 ・建築基準法に適合しているか審査
・役所または指定確認検査機関に申請
・確認済証交付を受けて着工
・審査中の指摘で期間が伸びる恐れあり
STEP8 住宅ローン本審査

契約
5〜8カ月 ・融資可否を決める審査
・事前審査を通過した金融機関で審査
・審査が降りれば住宅ローン契約締結
【必要書類】
・事前審査の書類に加え
・建築確認済証
・工事請負契約書
・重要事項説明書
・登記簿謄本 などが必要
STEP9 着工、完成 ・工事着手
・工事の節目や完成時に検査を実施
・検査には極力立ち会う
STEP10 引き渡し ・手直しが終わっているか確認
・残金決済を行い鍵の引き渡しを受ける
・同時に建物の登記を行う

※期間の目安は一般的なケースであり、個別の事情により前後する場合があります。

STEP1~3:準備から土地契約まで

STEP1から3は、家を建てるための下準備のフェーズです。実はここが家づくりの成功を左右する重要なタイミング。下準備が不十分だと予算オーバーや理想の空間が実現できなくなる恐れがあります。
準備から土地契約までの期間は3〜6カ月が目安。下記ポイントをもとに着実に準備を進めていきましょう。

項目 ポイント
資金計画・
予算決め
・貯蓄や現在の家賃などを参考に返済スケジュールを検討する
・住宅ローン年間返済額の目安は年収の25%程度に抑える
ハウスメーカーと
土地探し
・予算が固まったらハウスメーカーと土地探しを行う
・自身の予算内で建てられる土地とハウスメーカーを探す
・不動産ポータルサイトで土地の予算を決める
・同時並行でハウスメーカー探しに進む
土地の売買契約 ・希望の土地が決まったら購入手続きに進む
・土地購入費を自己資金でまかなうか、融資を受けるか選択する
・つなぎ融資や土地先行融資を活用すれば負担が軽減される

STEP4~7:住宅ローンと建築契約

住宅ローンの事前審査から建築確認申請までの期間は、通常3~5カ月程度です。ただし、土地の状況や設計の複雑さ、ハウスメーカーの繁忙期などにより期間は変動します。
事前審査で借入可能額を把握し、ハウスメーカーとの建築工事請負契約へ進む流れです。その後契約前に作成した間取り図をもとに、間取りの最終調整や設備機器、内装の仕様などを決めて詳細設計を進めます。詳細設計が終わると建築確認申請へと進むのです。
このタイミングでは以下のポイントについてチェックを行ってください。

<住宅ローンと建築契約でのチェックポイント>
【建築工事請負契約時】
・工事の範囲、内容が工事請負契約書に明示されているか。
・追加工事または変更工事などの場合においての取り決めがどうなっているか。
・工事着手と完成の時期
・工事の遅れや不履行のあった場合の措置
・紛争が生じた場合の措置
・担保責任
・代金の支払方法

【詳細設計時】
・予算をスタッフに伝えておき、コストの管理をサポートしてもらう
・フルオーダーかセミオーダーかをあらかじめ選択しておく
(フルオーダーとセミオーダーの差額は全国平均で500万円ほど開きがある)
・建物の広さが価格に最も影響するため、最低限欲しい部屋数や広さを決めておく
・内装建材や設備機器のグレードでコストの調整をする

STEP8~10:着工から入居まで

住宅ローン本審査から入居までは、一般的に5~8カ月程度かかります。建物の規模や構造、天候、繁忙期などにより期間は変動しますが、着工から完成まで約4~6カ月が標準的な工期です。
工事が始まると、ハウスメーカーの現場監督が工事の進捗管理や、出来栄えのチェックなどを行います。建主も工事中の検査に立ち会いをお願いされるケースがあります。どのようなチェックを行うかを理解していると立ち会い時に役立つので、把握しておくとよいでしょう。

工事中に施主として関わりたいチェックポイント

家づくりの工事が始まったら、施主として現場の進捗に関心を持つのが大切です。すべてを厳密に検査する必要はありませんが、どのタイミングでどのような工事が進んでいるかを知っておくと安心でしょう。

<工事中のチェックポイント>
【着工前に施主ご自身でも確認しやすいポイント】
工事が始まる前に、現場で確認しておきたい項目です。

・境界杭はあるか
・隣地から敷地内に飛び出ているものはないか(植栽・ブロック塀など)
・建物配置(地縄※)は図面通りか
 ※地縄(じなわ)とは建物の輪郭を地面にロープで張ったもの

【基礎工事(配筋検査)に専門家が検査する重要なポイント】
基礎や構造体(骨組み)は、完成すると見えなくなる部分です。施主ご自身での判断は難しいため専門的な確認が必要ですが、「どのような点がチェックされているか」を把握しておきましょう。

・基礎の形状は図面通りか
・鉄筋が綺麗に組まれているか
・型枠と鉄筋の間に隙間はあるか
(目安:土に接する部分→6cm、立ち上がり部→4cm)

【上棟時(躯体検査)に専門家が検査する重要なポイント】
・土台と基礎はアンカーボルトでしっかりつながっているか
・構造体のジョイント部分は金物や釘で固定されているか
・筋かいの位置は図面通りか
・壁や床の合板は規定の釘ピッチで固定されているか

施主としての関わり方

専門的な検査は施工会社や第三者機関に任せますが、施主として現場に足を運び、進捗を確認する姿勢が大切です。
不明な点があれば現場監督に質問したり、完成後に見えなくなる基礎の配筋や構造金物などは、施工写真を提供してもらうよう依頼するのも良い方法です。

【費用・総額】一体いくらかかる?土地+建物のリアルな総費用と住宅ローン

土地を購入して注文住宅を建てる際、多くの方が土地代と建物代だけで予算を考えがちです。しかし実際にはそれ以外にも、さまざまな費用が発生します。ここからは、見落としがちな諸費用を含めた総費用の全体像と、年収に応じた現実的な資金計画の立て方をくわしく解説します。

土地代と建物代だけじゃない!見落としがちな「諸費用」の全て

注文住宅の総費用は、大きく分けて土地代、建物本体工事費、そして諸費用の3つで構成されます。諸費用は一般的に総額の10~12%程度が必要となるでしょう。
つまり4000万円の土地と建物を購入する場合、400~480万円の諸費用が別途必要になる計算です。

見落としがちな「諸費用」の全て

年収500万円・700万円の資金計画シミュレーション

実際の年収例を用いて、現実的な資金計画をみていきましょう。住宅ローンの年間借入可能額は、一般的に年収の25%程度が上限とされています。より具体的に資金計画をイメージできるように、年収500万円と700万円のケースに分けてシミュレーションしました。

年収500万円の資金計画シミュレーション

年収500万円の場合、借入可能額は2500~3500万円程度が目安です。年間返済額は年収の25%以内、月々約10万円以内に抑えるとよいでしょう。
具体的な資金計画例として、土地1350万円、建物1800万円、諸費用350万円の総額3500万円のケースを考えます。自己資金を諸費用分の350万円を用意し、3150万円を35年ローン(金利1.5%、元利均等方式)で借りると、月々の返済額は約9.6万円です。この条件での年間返済額は年収の約23%で、やや高めですが許容範囲内といえます。

<年収別 資金計画シミュレーション>
項目 年収500万円 年収700万円
返済負担率の目安 年収の25%以内 (年間125万円、月約10.4万円) 年収の25%以内 (年間175万円、月約14.5万円)
総費用の例 3,500万円 5,000万円
土地代 1,350万円 1,800万円
建物代 1,800万円 2,700万円
諸費用 350万円 500万円
資金計画の例
自己資金(諸費用分) 350万円 500万円
住宅ローン借入額 3,150万円 4,500万円
月々の返済額
(※金利1.5%、35年返済、
元利均等)
約9.6万円 約13.7万円
年間返済負担率 約23% 約23.4%

年収700万円の資金計画シミュレーション

年収700万円では、借入可能額の目安は3500~4500万円程度が適切です。月々の返済額は約14万円以内が理想的です。

具体的な資金計画例として、土地1800万円、建物2700万円、諸費用500万円の総額5000万円のケースを考えます。自己資金500万円を用意し、4500万円を35年ローン(金利1.5%、元利均等方式)で借りると、月々の返済額は約13.7万円です。

【最難関】「つなぎ融資」とは?土地先行の住宅ローンを専門家が徹底解説

土地を買って家を建てる際に問題になるのが、住宅ローン実行前の支払いです。住宅ローンは原則として建物完成後にしか実行されません。しかし、土地代金や建築費の一部は着工金や中間金として完成前に支払う必要があります。土地代や着工金などの費用について住宅ローン実行まで借りられるのが、つなぎ融資なのです。

つなぎ融資は、住宅ローン実行までの期間限定で利用する短期融資です。住宅ローンと同じ金融機関で申し込むのが一般的で、住宅ローンの承認が前提となります。融資期間は通常6カ月~1年程度で、建物完成後に住宅ローンで一括返済する仕組みです。
金利相場は、2~4%程度と一般の住宅ローンより高めです。
メリットとしては、少ない自己資金でも注文住宅の建築が可能になる点、支払いタイミングにあわせて必要な分だけ借りられる点が挙げられます。
一方、デメリットとして、金利が住宅ローンより高い点、利息は一括前払いが多い点、10万円程度の手数料がかかる場合がある点に注意が必要です。

【後悔しないために】土地探しとハウスメーカー選び「どっちが先?」問題

【後悔しないために】土地探しとハウスメーカー選び「どっちが先?」問題

土地とハウスメーカー探しのタイミングは同時進行が基本です。ただ、あえて順番をつけるなら「ハウスメーカー選びをやや先行」させるのをおすすめします。
なぜなら、土地と建物は切っても切り離せない関係にあり、トータルで考えなければ必ず後悔するでしょう。

<結論>同時進行、もしくは「ハウスメーカー探し」を少し先行させるのが正解

土地を買って家を建てる際は同時進行、もしくはハウスメーカー探しを先行させるべきです。なぜなら理想の家づくりができなくなる可能性があるのです。
土地を購入する際、売主に購入意思を伝え、1〜2週間程度は押さえられる場合があります。法的拘束力はないものの、不動産業界では一般的な慣習となっています。

土地探しを先行していると、1〜2週間の限られた期間内に建築会社を決めなければなりません。予算内で、理想の住まいを実現してくれそうな建築会社に出会うのは至難の業でしょう。
焦って売買契約をしてしまうと、実際に建築会社に相談した際に家が建てられなかったり、間取りに制約ができてしまったりなどの問題が起きかねません。
家づくりをスムーズに進めるには、ハウスメーカーをある程度決めておき、土地購入前に確認してもらうのが安心です。

【宅建士が教える】資産価値が落ちやすい「買ってはいけない土地」の見極め方

土地選びは、単に今の生活だけでなく、将来の資産価値も考慮する必要があります。資産価値が落ちやすい土地は大きく分けて法律上の制限、物理的な問題、環境問題があるタイプに分けられます。土地は現地をできるだけ確認し、問題点を洗い出しましょう。

<買ってはいけない土地>
カテゴリー 土地の種類 具体的な問題点 影響・リスク
法律上の制限 市街化調整区域 ・原則、新築や建替え不可
・例外的に新築可能でも要件厳格
・資産価値がほぼゼロ
・将来の売却が困難
再建築不可物件 ・接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接道)未達
・建物取り壊し後の新築不可
・リフォーム範囲に限界あり
・将来性が著しく制限される
借地権の土地 ・毎月の地代負担あり
・独断での建替えや売却不可
【承諾料の発生】
建替え・増築:
更地価格の3〜5%程度

売却:
借地権価格の10%程度
・長期的にコスト高
土地の形状 旗竿地
(敷地延長敷地)
・路地状部分が長く、奥に敷地がある
・重機が入りにくく工事が難航
・建築コストの増大
・周囲を建物に囲まれ日照・通風が悪化
狭小地 ・面積が極端に小さい(15〜20坪以下など)
・隣地との距離確保が困難
・住宅ローン審査が厳しくなる
・足場確保が難しく建築費が割高
物理的問題 地盤の問題 ・河川近く、埋立地、元田んぼは軟弱地盤
・古地図や地名(「田」「深」「沢」など)で推測可能
・地盤改良費用が高額になる恐れ
・災害リスクが高い
高低差のある土地 ・道路との高低差1m以上で擁壁工事必要
・既存擁壁の建築基準法適合確認が必須
・擁壁工事費用が発生
・不適合の場合は作り直し
・メンテナンス義務が継続
日当たりの悪い土地 ・南側に高い建物が存在
・北側道路で南側に隣家が接近
・一日中日が当たらない懸念
・生活の質に直結
環境面の問題 騒音問題 ・幹線道路・線路沿い
・学校・公園近く
・工場・商業施設の室外機や換気扇
・時間帯による騒音発生
・道路沿いは24時間騒音源の可能性
近隣環境の問題 ・ゴミ屋敷、管理されていない空き家
・トラブルメーカーの存在
・周辺の空き地多数
・生活に多大な悪影響
・空き家の火災リスク
嫌悪施設の近接 ・墓地、火葬場、ゴミ処理場 ・売却時に不利
・資産価値低下リスク

【建築士が教える】土地の価値を120%引き出すプランニングのコツ

先ほどの表に挙げた「旗竿地」や「狭小地」ですが、絶対に手を出してはいけないとは言いません。悪条件の土地であっても、設計次第で課題を解決できるケースは多々あるのです。

アエラホームの事例には、廊下を極限まで削り各部屋の広さを確保した24坪の2階建て住宅があります。各所に収納スペースを用意した上で、3帖のウォークインクローゼットや7帖の小屋裏収納を設け、狭小地で諦めがちな収納空間の確保にも成功しました。土地の本来持つ価値を最大化するには、入念な現地調査と設計者の経験値が不可欠です。

【アエラホーム ERABERU】 プランNo.C1-204

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複雑な家づくりは
「土地と建物のプロ」に
任せるのが成功の鍵

土地を買って家を建てるには、10以上のSTEP、1年以上の期間 、そして「総額の10〜12%」にもなる諸費用 や「つなぎ融資」 といった複雑な資金計画が必要です。

コラムで解説したチェックリストを見て、「専門知識が多すぎて、一人で判断するのは大変だ」と感じた方も多いのではないでしょうか。
アエラホームは、土地探しから設計、施工、アフターサービスまでをワンストップでサポートする体制を整えています。
お客様の「何から始めればいいか分からない」という不安を、夢の実現に向けた第一歩に変えるお手伝いをします。

「土地」と「建物」の失敗を防ぐワンストップサポート

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家づくりで後悔しやすい「土地を先に買ってしまい、理想の家が建たなかった」という失敗。
アエラホームでは土地探しの段階から関わり、その土地の法規制や地盤、ライフラインを専門的視点で調査します。
変形地や狭小地であっても、土地の価値を最大限に引き出すプランと見積もりを作成するため、予算オーバーや間取りの失敗を防げるのです。
また、提携不動産会社との強力なネットワークにより、一般には公開されない未公開物件情報をいち早くご提供します。

「総額」で考える安心の資金計画

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「諸費用は結局いくら?」「つなぎ融資の手続きが不安」といったお金の悩みも、専門スタッフが解決します。
アエラホームでは、土地代と建物代をあわせた「総額」での予算管理もできます。
複数の金融機関からお客様に最適な住宅ローンをご提案し、複雑なつなぎ融資や補助金申請もサポート。 資金面の不安を徹底的に解消します。

まずは「家づくりの無料相談会」で全ての不安を解消しませんか?

「予算はどれくらい必要なの?」
「土地と建物、どちらを先に決めるべき?」
「住宅ローンは借りられるの?」

家づくりには無数の疑問がつきものです。
アエラホームの無料相談会は、そんなあなたの「わからない」をひとつずつ解決していく場です。
まずは、あなたの想いや不安をじっくりお聞かせください。

【2026年以降の未来予測】これからの家づくりで知っておくべきこと

住宅建築は人生最大の買い物だからこそ、目先の状況だけでなく、5年後、10年後の社会変化を見据えた判断が大切です。法改正や市場動向、社会情勢の変化が、家を建てる人にどのような影響を与えるのかを解説します。

土地価格と建築費の動向。今が買い時?

2025年現在、建築費は過去10年で最も高い水準で推移しています。2009年を基準とすると木造建築工事費は1.4倍まで上昇しており、拡大傾向にあります。
最も深刻なのは人件費の上昇でしょう。建設業界の人手不足は構造的な問題となっており、2024年4月からの働き方改革による時間外労働の上限規制導入により、さらに労働力不足が深刻化しています。建設業労務単価の指標となる公共工事設計労務単価は、2021年から現在に至るまで約23%引き上げられました。

対して土地価格は、エリアによって明確な二極化が顕著です。国土交通省発表の令和7年度地価公示によると、三大都市圏は4年連続で地価が上昇しており、上昇幅も拡大しています。一方、札幌市、仙台市、広島市、福岡市を除く地方圏は上昇幅が縮小しました。
昨今の金利上昇や建築費の上昇を考えると、上昇が落ち着いている郊外は家の買い時といえるでしょう。

2025年「省エネ基準義務化」で家の価値が変わる

2025年4月から、全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務化されました。簡単に解説すると、現在の省エネ住宅が最低基準に定められたのです。
さらに重要なのは、2030年にはより厳しいZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準への基準引き上げが予定されている点です。将来、省エネ基準(等級4)で建てられた家が住宅ローン控除などの対象から外される可能性があり、資産価値が低下する恐れもあります。
つまり、これからの家づくりはデザイン性や耐震性だけでなく、省エネ性能にも予算をかける必要があるのです。

リモートワーク定着で変わる、新しい土地選びの基準

コロナ禍を経て、リモートワークは一時的な現象ではなく、恒久的な働き方として定着しました。2024年に実施された国土交通省の調査によると、雇用型就業者のうちテレワークを実施している人の割合は、令和3年度以降減少であるものの、直近1年間にテレワークを実施している人のうち約80%は2026年以降もテレワーク継続意向を示しています。

家で長時間過ごすリモートワーカーにとって、土地選びの基準も従来とは大きく変わってきました。たとえば、在宅時間の増加に伴う「住みやすさ」と、仕事のための「ワークスペースの確保」という2つのニーズを重視して平屋を選ぶ人が増え、広い土地の需要も高まってきました。またWeb会議や会社のサーバー接続のために通信環境が良いエリアを選ぶ人もみられます。

これらの新しい価値基準を総合的に判断し、自分たちのライフスタイルに最適な土地を選ぶことが、現代における家づくりの成功の鍵です。一般的な価値観にとらわれず、自分たちの暮らし方を軸に、柔軟な発想での土地選びが重要です。

複雑な家づくりは「土地と建物のプロ」に任せるのが成功の鍵

土地探しから家づくりまでの流れ、費用、注意点をくわしく解説しました。チェックリストを見て「大変だ」と感じた方も多いでしょう。
そう感じるのも無理はありません。土地を買って家を建てる決断は、人生で最も複雑で重要な選択の一つ。法律、建築、資金計画などの専門知識が求められるのです。
あなたがすべてを理解し、一人で判断する必要はありません。大切なのは、信頼できるプロのパートナーをみつける点です。

後悔しない家づくりのための最終チェックリスト

これまで解説してきた「流れ」「費用」「土地選び」の重要ポイントを、このチェックリストで最終確認をしてください。
もしも確認できていない項目があれば、それが今あなたが重点的に準備すべきポイントです。不安な点は専門家に相談しながら、ひとつずつクリアしていきましょう。

【全体の流れ】スケジュール管理のチェックリスト
□ 土地探しから入居まで全体で11~19カ月の期間を確保できているか
□ 現在の住まいの退去時期と新居入居のタイミングを調整済みか
□ 子どもの入学・転校時期を考慮したスケジュールになっているか
□ 繁忙期(年度末など)を避けた工事計画を立てているか
□ 天候による工期延長の可能性を考慮して余裕を持たせているか

【準備段階】情報収集と計画のチェックリスト
□ 家族全員で理想の住まいのイメージを共有できているか
□ 展示場やオープンハウスを3件以上見学したか
□ ハウスメーカーと土地探しを同時進行で進めているか
□ 土地を先に購入してしまう前にハウスメーカーに相談したか
□ 複数のハウスメーカーから見積もりを取得したか

【資金計画】予算と費用のチェックリスト
□ 年収の25%以内の返済額で計画を立てているか
□ 土地代+建物代の10~12%の諸費用を計算に入れているか
□ 自己資金は諸費用分以上を準備できているか
□ つなぎ融資を利用する際は利息と手数料を資金計画に含めているか

【土地選び】立地と法規制のチェックリスト
□ 市街化区域内の土地であることを確認したか
□ 建築基準法の接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接道)を満たしているか
□ 希望の広さの家が建てられるか確認したか
□ ハザードマップで災害リスクを確認したか
□ 地盤の強度や高低差による追加費用を見積もったか
□ 上下水道・ガス・電気の引き込み状況を確認したか

【契約関連】重要書類のチェックリスト
□ 土地の重要事項説明書の内容を理解したか
□ 建築工事請負契約書の工事範囲・内容が明確か
□ 追加工事・変更工事の取り決めを確認したか
□ 工期遅延時の対応について契約書に明記されているか
□ 支払いスケジュールと金額の内訳が明確か

【住宅ローン】融資手続きのチェックリスト
□ 複数の金融機関で事前審査を受けたか
□ 変動金利と固定金利のリスクを理解して選択したか
□ 団体信用生命保険の保障内容を確認したか
□ つなぎ融資の必要性と条件を確認したか
□ 本審査に必要な書類を全て準備できているか

【建築計画】設計と仕様のチェックリスト
□ 2025年省エネ基準に適合する断熱性能になっているか
□ 耐震等級3の取得を検討したか
□ 将来のメンテナンスコストを考慮した仕様選定をしたか
□ リモートワークスペースを確保しているか
□ 収納スペースは十分に計画されているか
□ 外構工事の費用を予算に含めているか

【工事中】現場確認のチェックリスト
□ 地鎮祭・上棟式の実施について決定したか
□ 近隣への挨拶回りの計画を立てたか
□ 上棟時の確認に立ち会う予定を入れたか
□ 中間検査の日程を確認したか
□ 施主検査で確認すべきポイントを理解しているか

【引き渡し】最終確認のチェックリスト
□ 建築確認済証・検査済証を受け取ったか
□ 各種保証書・取扱説明書を受け取ったか
□ 鍵の本数と種類を確認したか
□ 設備機器の使い方の説明を受けたか
□ アフターサービスの内容と連絡先を確認したか
□ 登記手続きの準備ができているか
□ 火災保険・地震保険の加入手続きを完了したか
□ 引っ越し業者の手配は完了しているか

なぜアエラホームは土地探しからワンストップで任せられるのか

アエラホームは、土地探しから設計、施工、アフターサービスまでをワンストップでサポートする体制を整えています。 「何から始めればいいか分からない」という不安も、まずは無料相談会で解消しませんか。あなたの夢の第一歩を、しっかりサポートします。
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資金計画の専門スタッフもいるので、土地代と建物代をあわせた総額での予算管理を行い、複数の金融機関から最適な住宅ローンをご提案可能です。つなぎ融資や補助金申請もサポートし、資金面の不安を解消します。
設計力にも自信があります。先にご紹介したように変形地や狭小地でも魅力的な住まいを実現できます。建築士が土地探しの段階から関わり、購入前に概算プランと見積もりを作成するため、予算オーバーや間取りの失敗を防げるのです。
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宅地建物取引士 望月尚文

この記事の著者

宅地建物取引士 望月尚文

宅地建物取引士、二級建築士、一級建築施工管理技士 ハウスメーカーを経て、デベロッパーに勤務。鉄骨造・木造の戸建て住宅や集合住宅の設計、現場監督を担当し、住宅建築に関する知識を学ぶ。資格や実業務のノウハウだけでなく施主として注文住宅を建築した経験あり。家づくりジャンルを中心に不動産関連のコラムを多数執筆。

       

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