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外断熱と内断熱、どちらがおすすめ?快適な住まいを実現する「断熱材」と施工方法の違いがもたらす影響

最終更新日 2024年12月27日

家の快適さや光熱費を左右する「断熱」。実は、断熱には大きく分けて、建物の外側を包み込む「外断熱(外張り断熱)」と、建物の内部に断熱材を入れる「内断熱(充填断熱)」の2種類あります。それぞれの特徴を理解し、家の立地や予算、理想の住環境に合わせて最適な選択をするのが、家づくりを成功させる大事なポイントです。省エネルギー基準の引き上げが進むため、将来を見据えた断熱方法を選び、より快適で省エネ性に優れた住まいを実現しましょう。

家の快適さや光熱費を左右する「断熱」。外断熱と内断熱、どちらを選ぶべき?

外断熱(外張り断熱)は、建物の外側を断熱材ですっぽり包み込む工法です。高い断熱性と気密性を実現し、室内の温度を一定に保つ効果があります。

一方、内断熱(充填断熱)は、内張り断熱や充填断熱と呼ばれ、構造材の間に断熱材を設置する一般的な断熱工法です。建物内部に断熱材を入れるため外壁が厚くならないのがメリット。狭小地でも取り入れやすく、コストを抑えられますが、外断熱と比較すると気密性が劣り、結露が発生しやすくなります。

<外断熱と内断熱の違い>

外断熱と内断熱の違い
外断熱と内断熱の違い

2025年の省エネ住宅トレンドは?

近年、脱炭酸素 社会の実現に向けて、住宅の省エネ性能の向上が急務となっています。2025年4月からは、住宅の省エネ基準適合義務化により、断熱等級4が最低基準に。さらに、2030年には、断熱等級5へと引き上げられる予定です。つまり、これからの家づくりでは、高断熱・高気密住宅が主流となるでしょう。

外断熱と内断熱、どちらを選ぶべき?

結局、「外断熱と内断熱はどちらがいいの?」と選び方で悩むかもしれませんが、それぞれにメリット・デメリットがあり、どちらの断熱工法がよいとは一概に言えません。外断熱は、断熱性・気密性に優れ、光熱費を削減できますが初期費用は高めです。快適性と将来的なコストを減らしたい方におすすめです。内断熱は、初期費用を抑えられますが、断熱性・気密性は外断熱に劣り、結露のリスクも高まります。ご自身の優先順位や立地環境、ライフスタイルなどを考慮し、最適な断熱方法を選びましょう。

外断熱を深堀り!建物全体を包み込む断熱のメリットとデメリットは?

外断熱を深堀り!建物全体を包み込む断熱のメリットとデメリットは?

建物全体を断熱材で覆う「外断熱工法」は、まるで魔法瓶のようと言われるほど。断熱性と気密性に優れ、光熱費を大幅に削減できる工法として注目されています。
初期費用は高めですが、2025年以降は住宅の省エネ基準適合義務化にともない、外断熱の需要はますます高まると予想されます。

外断熱のメリット

外断熱には、「断熱性・気密性の向上」「結露の防止」「建物の長寿命化」など、家の快適性・耐久性を向上させる多くのメリットがあります。

断熱性・気密性の向上

家の外側全体を断熱材ですっぽりと隙間なく覆うため、断熱性と気密性が飛躍的に向上。外気温の影響を受けにくく、室内温度を一定に保てるため、夏は涼しく冬はあたたかい快適な室内環境が一年中続きます。 また、冷暖房効率が高まることで、光熱費の削減にもつながります。

結露の防止

建物の外側と内側の温度差が小さくなるため、壁内結露が発生しにくくなります。湿気によるカビやダニの発生も抑制し、健康的で快適な室内環境を維持できます。

建物の長寿命化

断熱材で外側からしっかり家を覆うため、直射日光や酸性雨、急激な温度変化といった外的要因から構造体を守ります。また、壁内での結露が発生しにくいため、木材の腐朽や構造体の劣化も抑制。耐久性が向上し、住まいの寿命が長くなります。

外断熱のデメリット

高断熱で省エネルギー性に優れた外断熱工法ですが、費用や施工期間・デザインの制約といった課題もあります。

初期費用が高い

使用する断熱材のコストや施工の手間、設計の複雑化といった理由から、内断熱よりも初期費用が高くなる傾向があります。ただし、光熱費の削減や家の耐久性の向上といったメリットがあるため、長期的に見るとコストパフォーマンスはよいでしょう。

施工期間が長い

家全体を断熱材で覆うため、施工に手間がかかります。また、屋外での作業となるため、天候によっては施工期間が長くなる可能性があります。

デザインが制約される

外断熱により外壁が厚くなるため、敷地や間取りにある程度の余裕が必要です。複雑なデザインの住宅には、外断熱の採用が難しいケースもあります。

適切な施工が必要

外断熱工法は、施工業者の経験や技術によって仕上がりに差が出ます。施工精度が低く断熱材がしっかり固定されていない状態では、地震の影響で剥がれる、外壁の位置がずれる、断熱効果が低下するといったトラブルも。そのため、信頼できる施工業者の選定が重要です。

外断熱の施工方法

外断熱の施工は、次の3つのステップで進めていきます。

1.断熱材を外側に取り付ける

建物全体をすっぽり包み込むように、断熱材を建物の外側に張り付けます。断熱材には、板状のアルミ箔面材付き高性能硬質ウレタンフォームをはじめ、繊維系のグラスウール・セルロースファイバー といった種類があります。

2.隙間に気密・防水処理を施す

気密防水テープや発泡ウレタンで、隙間をしっかり塞ぎます。気密性・防水性が向上し、断熱効果を最大限に引き出します。

3.外壁材を固定する

外壁材をビスで留め付けます。特殊加工を施した高性能ビスの使用により、外張り断熱でのデメリットとなる、経年や地震で外壁材がずれて垂れ下がるのを防ぎます。

内断熱の深堀り!建物の内部から断熱するメリットとデメリットは?

建物内部の構造材の間に断熱材を充填する内断熱工法は、コストや施工性に優れる一般的な断熱工法です。一方で、断熱性能や結露対策の面で、課題が残ります。2025年以降は、内断熱工法単体で断熱を行うのではなく、外断熱や、外断熱と組み合わせて断熱性能を向上させるダブル断熱(付加断熱)へと、需要がシフトしていく可能性があるでしょう。

内断熱のメリット

内断熱の最大のメリットは、コストパフォーマンスのよさです。施工期間が短く、複雑なデザインにも対応できるため、多くの住宅で採用されています。

施工費用が比較的安い

内断熱は、外断熱よりも使用する断熱材の量が少なく、選択できる断熱材の種類が豊富です。そのため、比較的費用を抑えやすく、限られた予算内で対応しやすいでしょう。

施工期間が短い

歴史が長く技術が確立されている工法のため、短期間で効率的に施工できます。また、建物内部で作業をするため、天候の影響を受けにくく、工期が延びるリスクを軽減できます。

デザインの自由度が高い

外壁の厚みに影響を与えないため、狭小住宅やこだわったデザインにも対応できます。

内断熱のデメリット

内断熱は、導入しやすくコストを抑えられる一方で、外断熱と比較すると気密性が劣り、結露しやすいデメリットがあります。

断熱性能が外断熱に比べて低下しやすい

柱や梁といった構造体の間に断熱材を入れるため、柱などの断熱できない構造体部分を通じて熱が出入りします。熱損失が生じる分、外断熱と比べると断熱性能が低下しやすくなります。

結露のリスクが高い

気密性を向上しにくいため 、建物の内側と外側で温度差が生まれ、結露が発生しやすくなります。結露はカビや木材の腐朽の原因となるため、建物の耐久性や住環境に悪影響を与える恐れがあります。

施工ミスによるトラブルの可能性

構造体の間に断熱材を入れるため、隙間が生じやすく、施工不良によっては気密性・断熱性が低下するリスクがあります。万が一隙間から外気が入り、壁内で結露が発生すれば、湿気によるカビや腐朽が進み、建物の耐久性が大きく損なわれるでしょう。

内断熱の施工方法

内断熱の施工では、柱や梁といった構造材の間に、断熱材を隙間なく充填し、断熱性を向上させます。

1.断熱材の充填

柱や梁の間に、ボード状や繊維系のグラスウールなどの断熱材を詰めていきます。

もしくは、天井や壁面に発泡ウレタンを吹き付けます。発泡ウレタンは自己接着が高いため、施工が難しい天井や外壁と屋根の隙間といった部分もスムーズに充填可能です。

2.防湿シートの施工

室内側に防湿シートを施工します。防湿シートは、柱や間柱の上に重ねて貼り付けます。

3.装材の取り付け

内装ボードを、柱や間柱・梁などの上に固定し、防湿シートをしっかりと押さえつけます。

2025年以降の断熱材トレンド!あなたにぴったりの断熱方法を選ぶポイントは?

2025年以降は、住宅の省エネ基準引き上げにともない、断熱材の選び方や施工方法がさらに重要視されていくと予想されます。とくに注目されているのは、外断熱と内断熱のメリットを併せ持つダブル断熱工法です。柱や梁・金物などの熱橋(ヒートブリッジ:熱を伝える部分)を効果的にカバーし、熱損失を抑え、高い断熱性と省エネ性を実現。一年を通して快適に過ごせる住環境を実現します。

最適な断熱方法を選ぶポイント

順次引き上げられる断熱基準に対応できるように、断熱性能の高い外断熱や、外断熱と内断熱を組み合わせたダブル断熱を選ぶのがおすすめです。省エネ基準を満たした快適な室内環境を実現できます。高性能な断熱材の採用により冷暖房費を抑えられるので、光熱費削減や快適性の向上といった長期的なメリットも得られます。ただし、予算と相談をして、全体のバランスを見ながら検討しましょう。

複数者に見積もりをとり、実績が豊富な1社を選ぶ

断熱材の種類や施工方法によって、費用は大きく変わります。そのため、複数社に見積もりをとり、内容を比較して検討することが大切です。また、断熱材の効果を十分発揮させるには、施工の技術が大きく影響します。希望するハウスメーカーがどのような断熱材や断熱工法を採用しているのか、実績をしっかりと確認し、信頼できる1社を選びましょう。

【注目】寒がりさんも暑がりさんも一年中快適に過ごせる家って?

そんな夢を叶えるのが、アエラホームこだわりの『W断熱(ダブル断熱)』です。

W断熱(ダブル断熱)

W断熱とは、外張り断熱と吹付断熱を組み合わせた、アエラホーム独自の断熱工法。
魔法瓶のように家を丸ごと包み込み、外気温の影響を最小限に抑え、一年中快適な室内環境を実現します。

W断熱のここがすごい!

  • 驚きの断熱性

    高性能な断熱材を二重に使うことで、熱の出入りを徹底的にブロック。冬は暖房の熱を逃さず、夏は涼しさをキープ!

  • 結露知らず

    壁の中の温度差を少なくすることで、結露の発生を抑制。カビやダニの繁殖を防ぎ、健康的な住まいを実現します。

  • 省エネ効果

    高い断熱性により、冷暖房効率がアップ!光熱費を抑えられて、家計にも環境にも優しいエコな暮らしを実現できます。

「W断熱」で、快適で省エネな暮らしを手に入れませんか?

2025年を見据えた最適な選択のために

2025年以降は、省エネ基準の引き上げにより、住宅の断熱性能はさらに重要になります。高い断熱性能が求められる中で、「外断熱」「内断熱」そして2つを組み合わせた「ダブル断熱」の3つの選択肢の中から、家の立地や希望する住環境、予算などのバランスを見て、最適な方法を選ぶことが大切です。断熱性の向上は、光熱費削減や快適性の向上だけでなく、建物の耐久性や環境負荷の軽減にもつながります。長期的な視点でメリット・デメリットを比較検討して断熱方法を選び、家族にとって快適な住まいを実現しましょう。

一級建築士 神谷三理砂

この記事の著者

一級建築士 神谷三理砂

建築業界で住宅やインテリアの意匠設計を担当。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛ける。 ボストンの職人学校にてジュエリー制作を学び、帰国後ジュエリーブランドを立ち上げる。2008年はスウェーデンの展示会に出展。2011年パリの展示会に出品。 経験を活かし、家のデザインや間取り、インテリアコーディネート、収納アイデアなど住まいに関するコラムを多数執筆している。

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