ホーム > お役立ちコラム > 住宅の断熱革命『外張り断熱』で快適・省エネな住まいを実現!メリット・デメリットから補助金情報まで解説

住宅の断熱革命『外張り断熱』で快適・省エネな住まいを実現!メリット・デメリットから補助金情報まで解説

最終更新日 2025年02月26日

外張り断熱は、家の外側から断熱材で包み込み、快適な住環境と省エネ効果を同時に実現する工法です。高い断熱性能により冷暖房効率を向上させるだけでなく、光熱費の削減や結露防止、さらには住宅の耐久性向上にも大きく貢献します。一方で、施工には高い技術が求められるため、信頼できる業者選びが重要なポイントです。
外張り断熱を検討中の方は、メリット・デメリットをはじめ、施工方法や費用、活用できる補助金制度まで把握しておきましょう。

理想の住まいを実現する「外張り断熱工法」とは

住宅の断熱性能は、住み心地を大きく左右する要素の一つです。中でも、外張り断熱工法は、建物の外側全体を断熱材で覆うことで、優れた断熱効果を発揮します。
外張り断熱工法の特徴として、さまざまなメリットがあります。まずは、おおまかに確認しておきましょう。

<外張り断熱工法の主なメリット>
高い断熱性 建物全体を断熱材で覆うため、外気の影響を受けにくく、室内温度を一定に保ちやすい。
快適な室内環境 部屋間の温度差が少なく、ヒートショックのリスクを軽減できる。
光熱費の削減 高い断熱性により、冷暖房費を抑えることができる。
結露の防止 熱の通り道となるヒートブリッジ(熱橋)が発生しにくく、結露を防ぎやすい。
建物の長寿命化 外気の影響を受けにくいため、住まいの寿命が延びる。

外張り断熱で使用する建材と外断熱との違いとは

外張り断熱では、一般的に耐久性や防水性に優れた発泡プラスチック系のボード状建材を使用します。
基礎の裏側など狭く施工が難しい部分は、自己接着性に優れた現場吹き付けタイプの硬質ウレタンフォームを用いるケースもあるでしょう。

<外張り断熱で使用する断熱材の種類>
断熱材の種類 特徴
ビーズ法発泡ポリスチレン(EPS) 断熱性・耐水性に優れ、軽量で加工がしやすい。有害物質が少なく環境にやさしい。
押出発泡ポリスチレン(XPS) 断熱性に優れ、水や湿気にも強い。
フェノールフォーム 極めて断熱性が高く、耐燃焼性に優れている。
硬質ウレタンフォーム 施工現場での発泡が可能。自己接着性に優れ、複雑な形状にも施工可能。

外張り断熱と外壁材の組み合わせ

外張り断熱の上に張る仕上げの外壁材には、一般的に窯業系(ようぎょうけい)サイディングが使用されます。断熱材と外壁材の間には通気層を設け、湿気を効果的に排出。壁内の乾燥状態を保ち、結露を防止します。さらに、通気層によって夏場の熱が外へ逃げやすくなり、断熱材の性能を長期間にわたり維持できるようになるのです。

外張り断熱と外断熱の違い

外張り断熱と外断熱は一見似ている工法ですが、適用される建物の構造が異なります。

外張り断熱

主に木造・鉄骨造の建物で採用される断熱工法です。蓄熱層を持たない構造体の外側に断熱材を張り、断熱層を形成します。気密性を高めるとともに、熱損失を防ぎます。

外断熱

主に鉄筋コンクリート造(RC造)の建物で採用される断熱工法です。熱容量が大きい鉄筋コンクリートの躯体を外側から断熱材で覆い、蓄熱効果を向上させます。室内の温度変化を緩やかにし、結露を防ぎながら躯体の耐久性の向上が可能です。

徹底比較!外張り断熱のメリット・デメリットとは?

徹底比較!外張り断熱のメリット・デメリットとは?

外張り断熱には、快適で省エネな住まいを実現するための多くのメリットがあります。
一方で、いくつか注意しておきたい点もあるため、導入を検討する際はしっかり理解しておきましょう。

外張り断熱のメリット

外張り断熱の最大の魅力は、優れた断熱性能にあります。建物全体を隙間なく包み込み、快適な住環境を実現する4つのメリットを見てみましょう。

光熱費の削減

外張り断熱は、建物全体を断熱材で隙間なく覆うため、高い断熱性を発揮します。冷暖房効率が向上し、光熱費の大幅な削減が可能です。経済的な費用負担を軽減しながら、環境にもやさしい暮らしができます。

結露防止

断熱材により建物を継ぎ目なく包み込むため、気密性が高まり、壁体内や室内での結露を効果的に防ぎます。カビやダニの繁殖が抑えられ、健康的な室内環境に。湿気が減るため、建物・家具の劣化や、シロアリ被害のリスクも軽減できます。

遮音性の向上

外張り断熱は、熱だけでなく音を遮る効果にも優れています。建物に隙間がほとんどないため、外からの騒音が室内に響きにくくなり、楽器やオーディオ、赤ちゃんの泣き声などが外に漏れるのも軽減。プライバシー性が高い快適な空間を保てます。

間取りの自由度の向上

高気密・高断熱化により、吹き抜けや大空間を取り入れた間取りでも、快適な温度環境を保てます。間取りの自由度が上がり、デザイン性と機能性を両立した家づくりができます。

外張り断熱のデメリット

外張り断熱はメリットが多い工法ですが、いくつか注意すべき点もあります。外壁が厚くなり、施工が難しいため、熟練した技術や経験が必要です。また、火災時の延焼リスクも考慮する必要があるでしょう。

外壁に厚みが出る

家全体を断熱材で外側から包み込む構造上、どうしても外壁が厚くなります。とくに、敷地面積が限られている場合、外張り断熱によって間取りや建物の配置に制約が出るケースがあるため、慎重に計画する必要があるでしょう。

火災のリスク

外張り断熱で使用する発泡プラスチック系断熱材は、断熱性が高い反面、燃えやすい性質も持っています。

建築費用が高め

施工が複雑で手間がかかるため施工期間が長くなり、初期費用が高額になる傾向にあります。また、施工技術に優れた技術者が限られているため、人件費が割高になるケースも。外張り断熱を採用する際は、費用対効果を十分に検討するとともに、実績のある専門業者を慎重に選ぶことが大切です。

外張り断熱の施工方法で重要なポイントとは?

外張り断熱工法は、家の外側に断熱材を施工して高い断熱性を実現する工法です。施工の流れと重要なポイントを確認しておきましょう。

1.断熱材の取り付け

断熱材の取り付け

発泡プラスチック断熱材などを、建物の外側に連続的に隙間なく配置します。屋根材や外壁材のズレ・垂れ下がり防止のため、外張り断熱工法用ビスを使用するのが効果的です。

2.気密処理をする

気密処理をする

断熱材の継ぎ目や隙間を、気密テープや発泡ウレタンを使って埋めていきます。気密テープを繋げて貼る際は、重ね貼りをして気密性を確保。さらに、断熱材と端部木材との取り合い部分の気密処理を施し、隙間をしっかりカバーして熱損失や結露のリスクを軽減します。

3.防水処理をする

断熱材の上に防水シートを張り、雨水の侵入を防ぎます。シートの施工時には重ね代を十分確保し、防水テープでしっかり固定。サッシまわりや開口部、屋根といった雨水が侵入しやすい箇所は、丁寧に防水処理を行うことが重要です。建物全体の防水性が高まり、耐久性も向上します。

4.外壁材を設置する

外壁材を設置する

仕上げとして外壁材を設置し、壁内に通気層を設けて湿気を効率的に外へ逃します。最後に目地処理を行い、気密性と防水性を向上させます。

W(ダブル)断熱で実現する究極の快適空間!光熱費削減&健康住宅の秘訣とは?

W断熱とは、建物の外側に断熱材を施工する「外張り断熱」と、内側に断熱材を施工する「内断熱」を組み合わせた高性能な断熱工法です。
外張り断熱の優れた特長はそのままに、さらに気密性・断熱性を向上。より快適でエネルギー効果が高い住環境を実現します。

<W断熱のメリット>
断熱性・気密性の向上 断熱性・気密性がさらに強化され、夏はより涼しく冬はよりあたたかい快適な空間に。冷暖房効率が大幅に向上し、長期的な費用対効果も高まります。
結露防止効果の向上 外気の影響を受けにくくなり、結露の発生リスクがさらに低減。カビやダニの発生を抑え、より健康的な室内環境に。
遮音性の向上 遮音性能がさらにアップ。より静かな環境を実現します。
耐久性の向上 建物を外的要因から守りつつ、結露の発生リスクを抑えるため、建物の耐久性が向上。住宅の寿命をさらに延ばします。

【注目】寒がりさんも暑がりさんも一年中快適に過ごせる家って?

そんな夢を叶えるのが、
アエラホームこだわりの『外張W断熱(ダブル断熱)』です。
外張W断熱(ダブル断熱)

外張W断熱とは、外張り断熱と充填断熱を組み合わせた、アエラホーム独自の断熱工法。

外張W断熱のここがすごい!

魔法瓶のように家を丸ごと包み込み、外気温の影響を最小限に抑え、一年中快適な室内環境を実現します。

外張W断熱のここがすごい!

  • 驚きの断熱性

    高性能な断熱材を二重に使うことで、熱の出入りを徹底的にブロック。冬は暖房の熱を逃さず、夏は涼しさをキープ!

  • 結露知らず

    壁の中の温度差を少なくすることで、結露の発生を抑制。カビやダニの繁殖を防ぎ、健康的な住まいを実現します。

  • 省エネ効果

    高い断熱性により、冷暖房効率がアップ!光熱費を抑えられて、家計にも環境にも優しいエコな暮らしを実現できます。

「外張W断熱」で、快適で省エネな暮らしを手に入れませんか?

アエラホームのオンライン相談会で、「高気密・高断熱」の秘密を解き明かそう!
光熱費節約&快適な暮らしを実現する、アエラホームこだわりの技術を徹底解説。

  • ☑ ダブル断熱の仕組み
  • ☑ 全棟気密検査の重要性
  • ☑ 暑さ寒さ対策

…など、疑問を解消して理想の住まいへ。今すぐ無料オンライン相談会を予約!
        

外張り断熱の費用は?利用可能な補助金制度はある?

外張り断熱は、初期費用は高額になりがちです。しかし長期的な視点で考えると、優れた断熱性能による光熱費削減効果によりランニングコストを抑えられるため経済的。また、補助金制度を活用すれば、費用負担を軽減できるケースもあります。

2025年補助金制度の種類

外張り断熱を採用した住宅は、要件を満たせば補助金制度を利用できます。初期費用の負担を減らすために、主な制度を確認しておきましょう。詳しくは、お住まいの自治体にお問い合わせください。

<2025年補助金制度>
補助金制度名 概要    対象住宅・交付額 申請期限
子育てグリーン住宅支援事業 子育て世帯に限らず、性能がGX志向型住宅の基準に適合していれば、すべての世帯が対象 ・GX志向型住宅:一戸あたり最大160万円 
・子育て世帯など:40〜100万
令和7年12月末頃
ZEH化等支援事業 戸建住宅のZEH、ZEH+の普及、高断熱による省エネルギー化とCO2削減を支援 ・ZEH :一戸あたり55万円
・ZEH+:一戸あたり90万円
実施期間:令和7年度まで

補助金制度を利用する際の注意点

補助金制度を利用する際は、それぞれの申請方法や条件をしっかり確認しましょう。多くの制度は、予算がなくなり次第終了するため、早めの対応が求められます。また、補助金の種類によっては、工事着工前に申請するケースがあるため、余裕を持って手続きを進めましょう。

まだまだ知りたい…外張り断熱に関するよくある質問は?

まだまだ知りたい…外張り断熱に関するよくある質問は?

外張り断熱についての一般的な質問と回答をまとめました。断熱材の厚みやアルミの効果、地震への強さ、充填断熱との違いなど、外張り断熱を採用する際の参考にしてください。

<外張り断熱に関するよくある質問>
外張り断熱の厚みはどれくらい? 外壁は約36〜61mm、屋根は約45〜61mm、基礎は約36〜50mmが一般的です。
アルミが使用されている外張り断熱の効果とは? 外張り断熱で使用されるアルミ箔は、遮熱性能に優れています。夏は外部からの強い日射熱を反射。冬は寒気を反射し、室内のあたたかな空気が流出するのも防ぎます。
地震に強い? 外張り断熱そのものは、地震への直接的な効果はありません。そのため、建物の耐震性を高める設計や、制震装置の設置が重要です。
充填断熱との違いは?併用できる? 充填断熱は内断熱とも呼ばれ、建物の内側に断熱材を施工する工法です。外断熱・充填断熱を組み合わせたW断熱は、2つの断熱工法の利点を活かし、さらに高い断熱性能を発揮します。

外張り断熱で快適で省エネな住まいを実現するには?

外張り断熱は、快適で省エネな暮らしを可能にする優れた工法です。
ただし、施工技術によって仕上がりに差が出やすいため、導入を検討する際は、施工実績が豊富なハウスメーカーを選びましょう。また、使用する断熱材や保証内容を事前に確認し、複数の業者から相見積もりをとって比較検討するのも大切です。
2025年以降は、ZEHの普及促進や省エネ基準の強化が進み、さらなる高断熱化が求められます。長期的な視点で住まいづくりを考え、外張り断熱による快適で省エネな理想の住まいを実現しましょう。

一級建築士 神谷三理砂

この記事の著者

一級建築士 神谷三理砂

建築業界で住宅やインテリアの意匠設計を担当。独立後、住宅兼カフェの設計・家具・装飾品のデザインを手掛ける。 ボストンの職人学校にてジュエリー制作を学び、帰国後ジュエリーブランドを立ち上げる。2008年はスウェーデンの展示会に出展。2011年パリの展示会に出品。 経験を活かし、家のデザインや間取り、インテリアコーディネート、収納アイデアなど住まいに関するコラムを多数執筆している。

アエラホームへのご相談

CONSULTATION

カタログ請求

アエラホームの魅力が満載の
カタログをお届けします。

展示場・イベント

全国のアエラホームから
お近くの展示場をご案内します。

来場予約・WEB相談予約

お手軽・簡単にWEBでご予約できます。

アエラホーム
公式SNSアカウント