2025年最新情報!神奈川県の自治体が実施する補助金制度を紹介
神奈川県内の市町村の中には、地域の実情に合わせて独自の住宅取得支援策や補助金制度を設けている自治体が見られます。用意されている支援策の中には、国の補助金制度と併用可能な場合も多いのです。
上手に活用すれば、住宅新築に伴う経済的な負担を大きく軽減できるでしょう。
特に省エネ性能の高い住宅を検討されている方なら、国と自治体の補助金を組み合わせて、より良い資金計画を立てる助けになるはずです。
【神奈川県】ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金
神奈川県では、2050年の脱炭素社会実現に向けた取り組みを進めており、その一環として家庭部門の省エネルギー化を促進するため「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)導入費補助金」を設けています。この支援策は、2025年度(令和7年度)も継続して実施されることが決定しました。
主な要件は中小企業による施工
補助金の交付を受けるための重要な要件の一つとして、住宅の設計者または施工事業者が、中小企業基本法に規定される「中小企業者」である必要があります。
家づくりのパートナーとなるハウスメーカーや工務店を選ぶ際には、依頼先の事業者がこの要件を満たしているか、事前に確認しておきましょう。
補助対象となる住宅と補助金額
補助金は、県内にZEH(ゼッチ)を新築または購入する場合に交付され、補助金の額は、導入するZEH住宅の省エネルギー性能レベルに応じて設定されています。
具体的には、より高性能な「ZEH+(ゼッチプラス)」または「Nearly ZEH+(ニアリーゼッチプラス)」に該当する場合は1戸あたり90万円。
標準的な「ZEH」または「Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)」では1戸あたり55万円。
都市部の狭小地などに建てられる「ZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)」の場合は1戸あたり50万円の補助を受けることができます。
<神奈川県ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金(2025年)>
対象住宅 | 補助金額 |
---|---|
ZEH+(Nearly ZEH+含む) | 90万円/戸 |
ZEH(Nearly ZEH含む) | 55万円/戸 |
ZEH Oriented | 50万円/戸 |
上記の補助額に加えて、再生可能エネルギーを除いた、基準一次エネルギー消費量削減率が「35%以上」の場合は、20万円/戸を加算 |
申請期間と注意点
2025年度(令和7年度)の申請受付期間は、令和7年4月25日(金曜日)から令和7年12月26日(金曜日)までとなっています。
ただし、この補助金は県の予算に基づいており、申請額が予算の上限に達した場合は、受付期間内であっても早期に終了となります。実際に、2024年度も比較的早い段階で受付が終了した経緯がありますので、補助金の活用を検討される方は、早めの情報収集と計画的な準備が不可欠です。
【川崎市】太陽光発電設備等設置費補助金「たいせつ補助金」
川崎市では、環境への負荷を減らし持続可能な社会をつくるため、「たいせつ補助金」という愛称で太陽光発電設備等設置費補助金制度を用意しています。
市民の方が太陽光発電システムや家庭用蓄電池を導入したり、ZEH(ゼッチ)水準の省エネ住宅を新築したりする場合に、費用の一部が補助されます。
補助額のモデルケース(ZEH+と太陽光・蓄電池の場合)
たとえば、ZEH+(ゼッチプラス)に該当する住宅を新築し、太陽光発電設備(FIT制度※を利用しない場合)を4kW、家庭用蓄電池を6kWh設置すると、合計で128万円の補助金を受け取れる計算になります。
※FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で買い取る仕組みです。
設備ごとの補助単価と上限額
補助金の具体的な単価や上限額も確認しておきましょう。
太陽光発電設備については、FIT制度を利用しない場合は1kWあたり7万円(上限28万円)、利用する場合は1件あたり定額で4万円が補助されます。
家庭用蓄電池は、1kWhあたり10万円(上限は条件により70万円または30万円)が基準です。ZEH等に関しては、ZEH・ZEH Orientedで1戸あたり25万円、ZEH+では1戸あたり40万円の定額補助が設定されています。
<たいせつ補助金の補助単価と上限>
補助単価(補助割合) | 補助限度額 | |
---|---|---|
太陽光発電設備 | FIT適用しない7万円/kW (設置費用の1/2) |
28万円/件 |
FIT適用する4万円/件(定額) | 4万円/件 | |
蓄電池 | 10万円/kWh (設置費用の1/2) |
70万円/件または30万円/件 |
ZEH等 | ZEH ・ZEH Oriented 25万円/戸(定額) | 25万円/戸 |
ZEH+ 40万円/戸(定額) | 40万円/戸 |
申請のポイントと注意点
「たいせつ補助金」は、国や神奈川県が実施する他の補助制度との併用も可能な点が魅力です。申請はオンラインで行え、手続きを施工事業者に任せる方法も選択できます。
ただし、市の予算額には限りがあり、上限に達し次第、受付期間の途中でも終了となる場合があります。補助金の利用を考えている方は、早めの情報収集と申し込み手続きをおすすめします。
【相模原市】住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金
相模原市では、温室効果ガスの削減やエネルギー利用の効率化を目指し、「住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金」制度を設けており、2025年度(令和7年度)も実施される予定です。
市民の方が住宅に太陽光発電システムや定置用リチウムイオン蓄電池、電気自動車(EV)のバッテリーを家庭用電源として活用するV2H(Vehicle to Home)といった設備を導入した場合や、省エネ性能の高いZEH(ゼッチ)またはLCCM住宅※を新築した場合に、奨励金が交付されます。
※LCCM住宅とは
「ライフサイクルカーボンマイナス住宅」の略称です。建物の建築から、居住中、そして将来の解体・廃棄に至るまでの全体の期間(ライフサイクル)を通じて、二酸化炭素(CO2)の排出量を可能な限り削減。さらに太陽光発電などを活用してエネルギーを創り出し、最終的にCO2収支をマイナスにすることを目指す、先進的な環境配慮型住宅を指します。
2025年度のスケジュール見込み
2025年度(令和7年度)の申請受付は、9月頃に開始される見込みとなっています。
ただし、具体的な奨励金額や、対象となる設備の詳細な要件については、現時点(2025年4月28日)ではまだ公表されていません。詳細情報は、2025年5月頃に市の公式ウェブサイト等で発表される予定です。
奨励金の利用を検討されている方は、まず5月頃に相模原市のウェブサイトなどで公表される最新情報を必ず確認し、9月頃の申請受付開始に向けて、早めに準備を進めていくのが良いでしょう。
2024年度奨励金額の参考
現段階では参考として、2024年度(令和6年度)の奨励金額をご紹介します。昨年度は、太陽光発電システムの導入に対して8万円、定置用リチウムイオン蓄電池またはV2Hの導入に対してはそれぞれ10万円、ZEHの新築に対しては30万円が交付されました。さらに、LCCM住宅を新築した場合は、ZEHに対する奨励金30万円に加えて10万円が加算される、という内容でした。2025年度の奨励金額がどのようになるかは、5月頃の市の正式な発表を待つ必要があります。
<相模原市2024年度住宅用スマートエネルギー設備等導入奨励金の奨励金額>
設備の種類 | 奨励金額 |
---|---|
太陽光発電システム | 8万円 |
定置用リチウムイオン蓄電池 | 10万円 |
V2H | 10万円 |
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス) | 30万円 |
LCCM住宅 | 上記ZEHに10万円加算 |
【厚木市】選べる2つの住宅取得支援「若年世帯住宅取得支援事業補助金」と「親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金」
厚木市では、若い世代の定住を後押ししたり、親子三世代での近居や同居をサポートしたりするため、特徴の異なる2つの住宅取得支援補助金制度を2025年度(令和7年度)も実施しています。
重要な点として、2つの補助金制度を同時に利用することはできません。 ご自身の世帯状況や今後のライフプランをよく考え、どちらの制度がより適しているかを選択する必要があります。
<厚木市住宅補助金の概要>
若年世帯住宅取得支援事業補助金 | 親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金 | |
---|---|---|
基本補助額 | 20万円 | ・近居:40万円 ・同居:60万円 |
加算額 | 各10万円 ・定住促進地域内の住宅 ・市内在勤1年以上の勤労者等 |
各10万円 ・中学生以下の子がいる ・世帯主または配偶者が40歳未満 ・定住促進地域内の住宅 ・市内在勤1年以上の勤労者等 |
居住期間要件 | 3年以上 | 10年以上 |
若年世帯住宅取得支援事業補助金
主に若い子育て世帯の市内定住を応援するための制度です。対象となるのは、申請時点で世帯主またはその配偶者が40歳未満であり、かつ中学生以下のお子様がいる(妊娠中の場合も含む)世帯。また補助金を利用した場合、取得した住宅に3年以上継続して居住する意思が必要です。
補助の基本額は20万円。さらに、以下の条件に当てはまる場合には、それぞれ10万円が加算されます。
<補助金の加算条件> 市が定める「定住促進地域」内に住宅を取得する場合 世帯の中に、市内の事業所等に1年以上継続して勤務している方がいる場合 |
親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金
親子間の支え合いのある暮らしを支援する目的の制度で、市外から転入してくる子世帯が対象となります。
利用の条件として、子世帯の親または祖父母にあたる親世帯が、1年以上前から厚木市内に住んでいる必要があります。また、取得(または増改築)した住宅に10年以上継続して居住する予定が必要です。
補助の基本額は、親世帯と近居(直線距離で2km以内)するために住宅を取得する場合は40万円、同居するために住宅を取得または増改築する場合は60万円と、同居の方が手厚い設定です。
さらに、子世帯がいくつかの条件を満たす場合には、それぞれ10万円が加算されます(最大4つの加算が可能)。
<補助金の加算条件> ・中学生以下のお子様がいる場合 ・世帯主またはその配偶者が40歳未満の場合 ・市が定める「定住促進地域」内に住宅を取得する場合 ・世帯の中に、市内の事業所等に1年以上継続して勤務している方がいる場合 |
【逗子市】ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金
逗子市では、環境に配慮した住まいづくりを支援するため、2025年度(令和7年度)も「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)導入費補助金」制度を実施します。市内でZEH(ゼッチ)などを新築したり、ZEH仕様の建売住宅を購入したりする場合が補助の対象となります。
補助金額と併用の可否
補助金の額は、対象となる住宅の条件に応じて決定されますが、最大で50万円が交付されます。注目すべき点として、この逗子市の補助金は、国や神奈川県が実施している他のZEH関連補助金制度との併用が可能となっています。複数の補助金を組み合わせることで、初期費用の負担をより軽減できる可能性があるでしょう。
申請方法は建築主による窓口申請が必須
申請手続きには特に注意が必要です。多くの自治体の補助金制度と異なり、逗子市のZEH補助金の場合は、家を建てる建築主ご本人、または同じ世帯のご家族が、直接、市役所の担当窓口(環境都市部 環境クリーンセンター)へ出向き、申請書類を提出する必要があります。施工事業者などが代理で申請を行うことは認められていませんので、この点はしっかり押さえておきましょう。
申請期間と注意点
2025年度(令和7年度)の申請受付は、4月14日(月曜)から受付開始しています。
ただし、補助金には限りある予算が割り当てられており、申請額がその上限に達した場合は、受付期間の途中であっても終了となります。利用を希望される場合は、早めに必要書類などを準備し、受付開始後のなるべく早い段階で申請手続きを完了させましょう。
【平塚市】ゼロエネルギーハウス導入補助金
平塚市では、地球温暖化対策を推進するため、省エネルギー性能に優れたZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の導入を支援する補助金制度を2025年度(令和7年度)も実施します。
補助対象と補助金額
この補助金の対象となるのは、ZEH基準を満たす住宅に限定されます。Nearly ZEH(ニアリーゼッチ)やZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)と呼ばれるタイプの省エネ住宅は補助の対象外となるため、注意が必要です。
補助金額は、ZEHの導入に対して1件あたり20万円が交付されます。さらに、定置用の蓄電池システムを同時に設置する場合には、5万円が上乗せされ、合計で最大25万円の補助を受けられます。国や神奈川県が実施する他の補助金制度との併用も可能です。
申請手続きには着工前の届出が必要
申請手続きには、特に注意すべき点があります。住宅の建築工事に着手する前に、施工事業者を通じて市へ「事前着手届」を提出する必要があります。届出を行った後、その日から60日以内に、正式な「補助金交付申請書」を提出するという、二段階の手順を踏まなければなりません。手続きの詳細は、市の交付要綱などで必ず確認しましょう。
補助件数と申請期間
2025年度の補助予定件数は100件で、申し込みは先着順での受付となります。
申請受付期間は令和7年4月1日(火曜日)以降ですが、補助件数に達し次第、受付終了となる可能性があります。
【秦野市】はだのOMOTANライフ応援事業
秦野市では、若い世代の方々に市内での住宅取得を促し、移住・定住を促進するため、「はだのOMOTANライフ応援事業」というユニークな名称の支援制度を2025年度(令和7年度)も実施しています。市外から秦野市へ転入される方や、既に市内にお住まいの若い世帯が、市内で住宅を取得する際に利用できる制度です。
対象となる世帯と申請期限
この助成を受けるためには、いくつかの要件を満たす必要があります。主な条件として、住宅の契約者とその配偶者が、いずれも申請時点で40歳以下である必要があります。また、取得した住宅に10年以上住み続ける意思がある方が対象です。
申請手続きは、タイミングが重要で、住宅の所有権に関する登記を受け付けた日、または秦野市への住民票異動日から3ヵ月以内に行わなければなりません。
助成金額の仕組み
助成される金額は、一律の「基本額(20万円)」に、世帯の状況に応じた「加算額(各10万円)」を足し合わせて計算される仕組みです。加算項目は最大で5つ用意されています。
まず、市外からの転入者を含む世帯には「転入加算」(10万円)があります。
次に、小学校卒業前の子ども(お腹の中にいる赤ちゃんも対象です)がいる世帯には「子育て加算」(10万円)が適用されます。
婚姻届を提出してから3年以内のご夫婦は「結婚新生活加算」(10万円)の対象です。また、ご両親が1年以上前から秦野市に住民登録している場合に、同居または近居(直線距離で2km以内)するのであれば「同居・近居加算」(10万円)が受けられます。
最後に、助成対象となる住宅が、市が定める特定の地域(上地区)にある場合には「上地区加算」(10万円)が追加されます。
これらの加算額を合計し、基本額と合わせて、最大で60万円の助成金を受け取ることが可能です。ご自身の世帯がどの加算項目に該当するか、事前に確認しておきましょう。
<はだのOMOTANライフ応援事業の基本額と加算額> ・基本額:20万円 ・転入加算:市外からの転入者を含む世帯 ・子育て加算:小学校卒業前の子どもを含む世帯(胎児も対象) ・結婚新生活加算:婚姻届提出3年以内の夫婦 ・同居・近居加算:親が1年以上秦野市に住民登録している場合 ・上地区加算:助成対象住宅が対象地域にある場合 |