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住宅ローンとつなぎ融資、家を建てるなら賢く組み合わせる!これで安心、資金調達のプロが教える基礎知識

最終更新日 2025年03月05日

注文住宅を建てる際、完成前に土地代金や建築費用を支払う必要があり、その資金を一時的に借り入れるのがつなぎ融資です。 つなぎ融資は、住宅ローンとは異なり担保がないため、金利が高く手数料も発生します。
そのため、つなぎ融資にかかる費用は、住宅取得全体の資金計画に大きな影響を与えるのです。事前につなぎ融資と住宅ローンの関係や、建築費用の支払い時期などを把握しておく必要があるでしょう。
資金計画を立てる際は、つなぎ融資の金利や手数料、返済方法などを考慮し、無理のない返済計画を立てましょう。

つなぎ融資とは?住宅ローンとの違いをわかりやすく解説

注文住宅を建てる際、住宅が完成する前に土地代や建築費を支払わなければなりません。自己資金で賄えない場合は、「つなぎ融資」の利用を検討しましょう。

つなぎ融資とは

つなぎ融資とは、注文住宅の完成前に必要となる資金を一時的に借り入れるローンのことです。住宅ローンは住宅完成後に実行されますが、建築会社への支払いは、着工時や上棟時など、段階的に発生します。
例えば、建築費が2,000万円の場合、着工時に600万円、上棟時に600万円といったように、まとまった費用の支払いが求められるケースもあります。住宅ローン実行前に必要となる資金を、一時的に銀行から借り入れるのがつなぎ融資の役割です。
注文住宅を建てる際には、さまざまな費用が発生します。 住宅を建てる前に、このような大金を全額準備するのは難しい人も多いでしょう。つなぎ融資は、注文住宅の完成前の支払いに必要なお金を準備するために利用します。

<注文住宅の完成前に必要な費用(例)>
・土地購入費用
・手付金(建築費用の約10%)
・着工金(建築費用の約30%)
・中間金(建築費用の約30%)
・上棟金(建築費用の約30%)

つなぎ融資の仕組み

つなぎ融資は住宅ローン実行までの期間、利息のみを支払います。住宅の引き渡し時に住宅ローンが実行され、そこでつなぎ融資の借入金を一括返済する仕組みです。
このため、つなぎ融資と住宅ローンは同じ金融機関で借り入れる必要があります。つなぎ融資を利用する場合、住宅ローン選びはつなぎ融資を取り扱う金融機関に絞りましょう。

つなぎ融資と住宅ローンの違い

つなぎ融資と住宅ローンは、どちらも住宅購入のために利用する融資ですが、いくつかの点で異なります。
つなぎ融資は住宅完成までの「つなぎ」として機能する短期融資であり、住宅ローンは長期的な返済計画に基づく本融資です。主な違いを以下の表にまとめました。

<つなぎ融資と住宅ローンの違い>
つなぎ融資 住宅ローン
融資時期 建物完成前(土地購入時・着工時など) 建物完成・引き渡し時
返済方法 利息のみ毎月支払い、元金は住宅ローン実行時に一括返済 毎月の元利均等返済が一般的
融資期間 最長1年程度の短期 20〜35年の長期
金利 2〜4%程度 つなぎ融資より低い
担保 無担保 建物・土地を担保

つなぎ融資が必要になるケースとは

つなぎ融資は、主に土地購入時や注文住宅の建築過程における支払い時に必要となります。
まず、土地を購入する場合、住宅ローンの実行前に代金を支払わなければなりません。しかし、住宅ローンは住宅完成後に実行されるため、土地代金の支払いではつなぎ融資を利用するのです。
また注文住宅の建築では、着工時や上棟時など、工事の進行に合わせて段階的に費用を支払う必要があります。一般的な支払いパターンとしては、着工時に建築費用の30%、上棟時に30%、完成時に残りの40%などを支払います。自己資金でこれらの費用を賄えない場合は、つなぎ融資の利用が必要になるのです。
つなぎ融資は住宅ローン実行前に必要となる、一時的な資金需要に対応するための融資です。土地の購入や建築費用の支払いをスムーズに行うために、必要に応じて活用しましょう。

注文住宅を建てる方必見!つなぎ融資のメリット・デメリットを解説

注文住宅を建てる方必見!つなぎ融資のメリット・デメリットを解説

つなぎ融資とは、住宅ローン実行までの間、一時的に必要な資金を借り入れる制度です。
住宅ローンは家が完成し、引き渡しが終わってから実行されます。
注文住宅を建てる際には、土地の購入から建築費用まで、多額の資金が必要となりますが、土地購入や着工金など、住宅完成前に必要となる資金を、つなぎ融資でまかなうことができます。
今回は、つなぎ融資のメリットとデメリット、注意点などを詳しく解説していきます。

つなぎ融資のメリット

つなぎ融資には、主に2つのメリットがあります。

<つなぎ融資のメリット>
・自己資金が少なくても注文住宅を建てられる
多額の自己資金がなくても、住宅購入の計画を進められます。

・担保設定が不要
住宅ローンを前提としているため、基本的に担保は不要です。そのため、土地や建物がない状態でも融資を受けられます。

つなぎ融資のデメリット

つなぎ融資は資金繰りの面で大きなメリットがありますが、一方でデメリットもあり、注意が必要です。主なデメリットを確認しておきましょう。

<つなぎ融資のデメリット>
・金利が高い
・事務手数料がかかる
・住宅ローン控除の対象外
・工期が長引くと利息負担が増える
・住宅ローンの選択肢が狭まる

金利が高い

つなぎ融資は無担保のため、住宅ローンより金利が高めに設定されています。1年ほどの短期の借り入れではありますが、借入金額が多い場合は利息の支払いが負担になるおそれがあります。

事務手数料がかかる

つなぎ融資を利用すると事務手数料や印紙代などの諸費用が、住宅ローンとは別に発生します。これらの費用は金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

住宅ローン控除の対象外

住宅ローン控除は住宅完成後の居住要件があるため、つなぎ融資には適用されません。

工期が長引くと利息負担が増える

つなぎ融資の利息は、融資期間に応じて発生します。そのため、住宅の工期が予定よりも長引くと、その分利息の負担も増えるのです。

住宅ローンの選択肢が狭まる

つなぎ融資はすべての金融機関が取り扱っているわけではなく、住宅ローンと同じ金融機関で利用する必要がある場合が多いです。

つなぎ融資を利用する際の注意点

つなぎ融資は、住宅ローンと合わせて利用する金融商品です。そのため、住宅ローンを組む金融機関のつなぎ融資の条件をよく確認してください。金利や手数料、融資期間などを比較し、最適な金融機関を選びましょう。
計画的に利用すれば、夢のマイホーム実現が大きく前進します。しかし、金利や手数料などのデメリットも理解しておく必要があります。つなぎ融資の利用を検討する際は、メリットとデメリットを比較し、ご自身の状況に合わせて慎重に判断しましょう。

つなぎ融資の利用ステップと注意点は?スムーズな実現への流れを解説

つなぎ融資の利用ステップと注意点は?スムーズな実現への流れを解説

土地の購入から住宅の完成、そして住宅ローン実行までの一連の流れの中で、つなぎ融資はどのように活用されるのでしょうか?
つなぎ融資を利用する場合の土地購入から住宅完成までの流れに沿って、つなぎ融資の利用ステップを解説しましょう。

つなぎ融資の利用ステップ

今回ご紹介するステップは一般的な流れであり、ケースによっては異なる場合があります。 金融機関や施工会社との打ち合わせの中で、具体的な流れを確認してください。

<つなぎ融資の利用の流れ>
1. 土地探し 理想の住宅を建てるための土地探しから始める。
2. 施工会社選定と家のプラン決定 ハウスメーカーや工務店を選び、建築プランを決定する。
3. 住宅ローンとつなぎ融資の事前審査申し込み 住宅ローンと同時につなぎ融資の事前審査を申し込む。
4. 本審査とローン契約 事前審査に通ったら本審査を受け、ローン契約を結ぶ。
5. 土地売買契約 土地の売買契約を結び、自己資金から手付金を支払う。
6. つなぎ融資実行(1回目) つなぎ融資が実行され、土地の残代金を支払う。(つなぎ融資の利息の返済スタート)
7. 工事請負契約 施工会社と工事請負契約を結び、自己資金から手付金を支払う。
8. つなぎ融資実行(2回目) つなぎ融資が実行され、着工金を支払う。
9. 着工 住宅の建築工事がスタートする。
10. つなぎ融資実行(3回目) つなぎ融資が実行され、中間金を支払う。(上棟のタイミングで)
11. 引き渡し・住宅ローン実行・つなぎ融資一括返済 ・住宅が完成し、引き渡しを受ける。
・同時に住宅ローンが実行され、つなぎ融資を一括返済する。

つなぎ融資の申し込みに必要な書類

つなぎ融資の申し込みは住宅ローンと同時に行うと、書類提出が1度で済みます。一般的な必要書類についても、あわせて確認しておきましょう。

<住宅ローン・つなぎ融資の必要書類>
本人確認書類(運転免許証など)
収入証明書類(源泉徴収票など)
土地の売買契約書
建築確認済証および建築確認申請書
建築工事請負契約書
つなぎ融資にかかる費用は?シミュレーションで具体的に解説

つなぎ融資にかかる費用は?シミュレーションで具体的に解説

つなぎ融資の利用を検討する際に、気になるのはその費用です。つなぎ融資は住宅ローンよりも金利が高めですが、実際にはどの程度の費用がかかるのでしょうか?
つなぎ融資の利息計算と、その他にかかる費用について詳しく解説します。

利息はいくらかかる? つなぎ融資の利息計算

つなぎ融資の利息がいくらくらいになるのか、試算してみましょう。つなぎ融資の利息は以下の計算式で算出されます。

利息 =融資額×年利率÷365日×融資日数

シミュレーションの前提条件

例えば、土地代金1,000万円、着工金500万円、中間金500万円のつなぎ融資を受け、年利3%、住宅完成までの期間が6ヶ月(180日)だった場合の利息を試算しました。

このケースでは約29.6万円の利息の支払いが必要になります。

項目 融資額 融資日数 利息
土地代金 1,000万円 210日(180日※) 約17.3万円
着工金 500万円 180日(120日※) 約7.4万円
中間金 500万円 120日(60日※) 約4.9万円
合計 約29.6万円

※(括弧内は返済までの日数)

<つなぎ融資の利息計算>
土地代金 1,000万円×3%÷365×210 約17.3万円
着工金 500万円×3%÷365×180 約7.4万円
中間金 500万円×3%÷365×120 約4.9万円
    合計 約29.6万円

つなぎ融資の事務手数料と印紙代

つなぎ融資の利息以外に、金融機関への事務手数料と印紙代も必要となります。
事務手数料は金融機関によって異なりますが、一般的には11万円程度です。印紙代は融資額に応じて、以下の表のように定められています。

<印紙代>
融資額 印紙代
500万円超1,000万円以下 1万円
1,000万円超5,000万円以下 2万円
5,000万円超1億円以下 6万円

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つなぎ融資の審査基準は?金融機関選びのポイントを解説

つなぎ融資を利用する際には、審査に通るための準備と、最適な金融機関選びが重要となります。

つなぎ融資の審査基準

つなぎ融資を受けるためには、まず住宅ローンの審査に通過する必要があります。住宅ローンの審査基準は、主に3点について確認を。
また、つなぎ融資の審査基準は金融機関によって異なる場合があります。事前に審査基準を確認しておくと、スムーズに手続きを進めていけるでしょう。

<住宅ローンの3つの審査基準>
返済能力 年収、勤続年数、雇用形態、現在の借入状況などから、安定した返済が見込めるかどうかを審査します。
担保評価 購入する不動産の価値が、融資額に見合っているかどうかを評価します。
信用情報 過去のクレジットカードやローンの利用状況、延滞履歴などに問題がないかをチェックします。

つなぎ融資を受ける金融機関の選び方

つなぎ融資を受ける金融機関を選ぶ際には、4つのポイントを参考にしましょう。

<金融機関を選ぶ4つのポイント>
住宅ローンの条件が良い 住宅ローンとつなぎ融資はセットで考える必要があります。金利、手数料、融資期間など、住宅ローンの条件が良い金融機関を選びましょう。
つなぎ融資の金利 つなぎ融資の金利は、一般的に2%~4%程度です。複数の金融機関を比較し、金利の低い金融機関を選びましょう。
融資回数と融資時期 必要な時期に必要な回数の融資を受けられるかを確認しましょう。土地購入、着工、上棟など、資金が必要となるタイミングに合わせて、融資を受けられるようにする必要があります。
事務手数料 事務手数料は金融機関によって異なります。無料の金融機関もあるため、比較検討しましょう。

つなぎ融資以外の資金調達方法は?住宅メーカー選びの重要性を解説

注文住宅を建てる場合、完成前に必要となる支払いを自己資金でまかないきれない人は、つなぎ融資の利用が視野に入ります。つなぎ融資は金利が高めで手数料もかかるため、利用したくないと考える人もいるのではないでしょうか。
最近では、住宅ローンの総額を複数回に分けて受け取れる「分割融資」や、着工時に実行される住宅ローンといった商品も出てきました。しかし、つなぎ融資に比べると取り扱う金融機関は少ないため、利用できる人は限定的といえます。
住宅ローンの種類や資金計画に不安がある場合は、住宅メーカーや工務店への相談がおすすめです。

注文住宅専門の会社の多くは、つなぎ融資や分割融資を受けられる金融機関と提携しています。相談すれば、他社も比較検討しながら、最適な資金調達方法をスムーズに見つけられるはずです。
まず信頼できる住宅メーカーを選び、資金計画の不安や疑問を解消し、安心して家づくりを進めましょう。

ファイナンシャルプランナー 松田聡子

この記事の著者

ファイナンシャルプランナー 松田聡子

ITエンジニア、国内生保の法人営業を経て、2009年より独立系ファイナンシャルプランナーとして開業する。 企業型確定拠出年金の講師、導入コンサルティング、個人向けライフプラン相談などにたずさわる。2020年から多数の金融・経済メディアに寄稿している。

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