注文住宅の建築を検討されている方のなかには、間取りに和室を加えるか迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
実際に注文住宅に和室を採用している人は、どのような使用用途で和室を作っているのか気になりますよね。
そこで本記事では、注文住宅を建築する際に和室を作るメリットやデメリットを紹介します。
和室を作る場合に失敗しないためのポイントも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
日本らしさを感じられる和室を、注文住宅の間取りに取り入れたいと考える方も多いでしょう。
ここからは和室を作ることでどのようなメリットがあるのか、詳しく紹介します。
畳には、い草と呼ばれる草を干した素材が使われています。
い草には、空気中の水分が多すぎるときには湿気を吸収して、乾燥しているときには水分を放出するといった、湿度の調整をする役割があります。
日本は高温多湿であるため、湿度の調節ができるい草は古くから和室に使われていました。
また、い草は空気中のほこりを吸着するため、空気清浄の効果があるという特徴もあります。
い草独特のよい香りはリラックス効果にも影響があるとされているため、い草を使っている畳を設置することで、空気がきれいになり癒しの効果が期待できます。
急な来客時に客間として利用できることも、和室のメリットだといえます。
家族が過ごすリビングとは別に、お客様にもリラックスしてもらえる場所として和室は最適です。
もし、お客様が宿泊をするとなった場合でも、保温性とほどよい弾力性のある畳の上であれば布団を直接敷いても問題ありません。
畳は弾力性があるため、固いフローリングとは異なり、座っても疲れにくいという特徴があります。
そのため、少し家事をするスペースとしても活用できるので、衣類へのアイロンがけなどの軽い家事ができます。
もし子どもがまだ小さい場合は、おむつを替える場所やお昼寝をさせる場所としても使えるのでおすすめです。
畳は弾力性があることからケガのリスクが少ないので、子どもの遊び場としてもおすすめです。
子どもが走り回ったとしてもフローリングに比べて畳は滑りづらく、転んだ場合でも大きなケガになりづらいです。
また、子どもが小さいときでも、畳の上に布団を敷いておけば、ベッドで起こりうる落下によるケガの心配もありません。
じっとしているよりも、動き回っていることのほうが多い子どもがいる場合には、ケガのリスクが少ない和室を遊び場にしてみることもよいでしょう。
和室の畳にはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
続いて、注文住宅に和室を作る4つのデメリットを紹介します。
和室の畳や障子などは、定期的に掃除やメンテナンスを行う必要があります。
たとえば畳は、フローリングとは違い水拭きができないため、一度掃除機でほこりやダニを吸い取ってから、乾拭きをしなければなりません。
また、15年以上同じ畳を使用している場合は、新しい畳に替える必要があります。
子どもがいる家庭では、障子が破られてしまうこともありますが、障子を1枚新しいものに替える場合、およそ5,000円程度かかってしまいます。
障子ではなくブラインドを使用することや、破られにくいプラスチック製になった障子を購入することも、検討してみてもよいでしょう。
畳は弾力性が高いので、重い家具や荷物を置くと素材がへこみ、状況によっては傷ついてしまうことがあります。
そのため、和室に重い家具や荷物を置くことは避けなければなりません。
和室に机を置きたい場合は、畳へのダメージを低減させるために、机の脚の部分にゴムを被せることやコルクの素材で作られたマットを敷くことが有効です。
畳は保温性に優れているため、ダニやカビが繁殖しやすい環境です。
畳の保温性に加えて、和室が20~30℃の場合や湿度が70%を超えてしまう場合には、さらに繁殖を高める原因になります。
そのため、こまめに換気をして部屋の風通しをよくすることが大切です。
デメリット③で紹介したように、和室はダニやカビなどが繁殖しやすい場所であるため、設計の段階で和室の間取りはしっかりと考えることをおすすめします。
和室がつねに日陰になり風通しが悪くなってしまうと、ダニやカビなどが繁殖して、畳の交換が必要になる可能性もあります。
そのため、間取りを考える段階で、日当たりがよい場所に和室が作れそうか、そして風通しは問題ないかなどは必ず確認しましょう。
もし、日当たりや風通りのよい場所に和室が作れなさそうな場合は、そもそも本当に和室が必要なのかどうかを再度検討することをおすすめします。
注文住宅を建てる際に、どのくらいの人が和室を間取りに加えているのか、和室の採用率を詳しく見ていきましょう。
注文住宅を建てる際の参考にしてみてください。
今回は、株式会社住環境研究所が行った「20~40代世帯 間取り実態調査」を参考に紹介します。
間取りに和室がない世帯へ行った、2010年度の調査の段階では18.8%であったことに対して、2016年度には25.3%と、畳がない世帯が増加していることが分かります。
一方で世代別で見たときには、2016年度には20代が76.0%、30代が75.2%、40代が70.6%と、若い世代のほうが和室を採用していることが分かりました。
年々、和室の採用率が低くなっている傾向はあるため、上記の和室の採用率とメリット・デメリットそれぞれも加味して、和室を採用するかどうかを決定するとよいでしょう。
和室を作る際には、使用用途に合ったデザインにすることがおすすめです。
最後に、和室を有効的に活用するために押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
注文住宅の間取りを考える際にお役立てください。
和室に段差をつけてほかの部屋よりも高く作る小上がりにすることで、空間に変化をつけられます。
和室を小上がりにすることで、腰掛としても活用できます。
また、和室全体に仕切りをつけることで、寝室として利用することも可能です。
一方で、和室を小上がりにすると自動のお掃除ロボットが使えない点には注意が必要です。
小上がりにすると一般的な和室よりも用途の幅が広がりますが、ケガのリスクが高まることは押さえておきましょう。
和室を子どもの勉強スペースや客間としての活用を検討している場合は、荷物をしまえる収納スペースは確保しておきましょう。
押し入れや小上がりの下の部分を収納場所にするなどの工夫をすると、畳のスペースを確保しつつ、収納スペースも確保できるのでおすすめです。
注文住宅を建築する場合、和室を家族だけでの利用として検討されている方もいらっしゃるでしょう。
家族だけの利用であれば、仕切りをつけずにオープンな形にしたいと考えるかもしれませんが、仕切りをつけておけば用途に応じて和室をプライベートな空間にできます。
たとえば、急な来客があった際に和室を仕切って客室として利用することも可能です。
和室の仕切りは、スクリーンや引き戸などを選びましょう。
簡易な仕切りであればスクリーンでも問題ありませんが、一部屋として使えるようにするには引き戸がおすすめです。
いかがでしょうか?
和室には、急な来客時にも客間として利用できることや家事スペースとしての利用もできるというメリットがあります。
一方で、気温や湿度が高いとダニやカビなどが繁殖しやすいため、日当たりや風通しなどの条件は間取りの段階で考えなければなりません。
アエラホームの注文住宅では間取りに和室を加えたい方のご相談も承っております。
注文住宅の間取りで迷われている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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